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第二十話 巨大獣ボボンガ 戦士の誇り 1

「あーあ、ご主人様ー。負けちゃいましたねー」


 マーヤちゃん、戦闘の結果が見え見えだからって――見てて食べてて笑ってて――をドグローンに設置したテレビで見ているのはどうかと思うんだよね、俺。


 まあ結果なんてよほど間違いでもない限りはガッダイン5の勝利で終わるのがパターンなんだけどね。


 悪の軍団の方が正義に勝つなんて話、タイムドカンシリーズ・ブットビマンくらいのモンだ。

 シリーズ数百本話中たった一回だけワルワル悪人トリオが勝つ話があった。

 その話は一号ロボのフンサイオーが負ける話で、まあその後の話で巨大ロボの二号機、バクサイオーに吹っ飛ばされて負けてしまったんだけどな。


 まあそんなイレギュラーは滅多に起こるものでは無いからな。

 だからって脱線マンの脱線音頭を踊ってるんじゃありせんよ、マーヤちゃん。


「脱線で、電車が三時間止まってさ、それを電話で苦情を受けてさ♪」


 今聞くとシャレにならん内容だ。

 これを子供がゲラゲラ笑っていたわけだから、ある意味平和な時代だったんだな……。


 この脱線マン、特撮ヒーローの超人間バビューンの使い回しって知ったのは後の話だ。


 当時の事について書かれた2000年代に出た本に乗っていた内容で、本放送を見ていた俺でもまさか脱線マンがバビューンの使い回しだとは知らなかったが、確かに言われれば似ていると言えば似ている。


「マーヤちゃん、もう帰りますよ」

「わかりましたー、ご主人様ー」


 俺達は箱根の町を撤退し、奇岩島基地に帰投した。


 奇岩島基地に戻った俺達を待っていたのは、普段以上に表情に余裕のないシャールケン提督だった。

 どうやら俺達が色々と巨大獣を出したりしている間、皇帝デスカンダルにこってりと絞られていたようだ。


「ブキミーダよ、余は無能だと思うか?」

「いいえ、そんな事はありません! シャールケン様は立派な提督だと思います!」

「そうか……余は少し疲れた、部屋で休ませてもらおう」


 シャールケンは明らかに憔悴している。

 まあこれだけ負けが二十回近く続いていれば、そうもなるだろう。


 シャールケンは本来有能な指揮官だが、融通が利かない所がある。

 それ故に本編ではブキミーダに反感を買い、陥れの被害に遭っていたとも言えるだろう。


 本編中で彼に徹底して忠誠を誓っていたのはバルガル将軍だけだった。

 いや、ミザーリンもシャールケンに対しては忠誠を誓っていたのかもしれないが、命令を忠実に守っていたとは言えないか。


 シャールケン提督が休みだという事なので、俺達もしばらくは作戦が実行されるわけではなさそうだ。

 この休みの間にしっかりと身体の調子を元に戻しておこう。

 最近はハードワークが多かったからな。


 といっても北原未来要塞ベースの監視が大半だが。


 俺がスパイドローンカメラの映像を見ると、その北原未来要塞ベースでは丁度食事の時間だった。

 調子を取り戻した玄太郎はどんぶり飯を七杯平らげ、流石のおタケさんも驚いていた。


「オイ、今回のオリンピックは見送る事になりもうしたが、ダバール星人をやっつけて、次のオリンピックが行われるモスクワには絶対に参加して金メダルを取ってみせるばい!」


 ――玄太郎よ、残念ながら次のモスクワオリンピックは日本はボイコットで不参加だ。

 狙うならその次のロサンゼルスにした方がいい――。


 だが俺のこの言葉が玄太郎に届くわけが無い。

 これはただの俺の独り言だ。


「ご主人様ー。モスクワって何ですか? お菓子の名前ですか?」

「え? 俺なんか言ってた?」

「はい、モスクワが何だの、オリンが何だのって。やっぱり少し気持ち悪かったですー」


 マジでマーヤちゃんの横での独り言には気を付けよう、どんな失言で後々つつかれるかわかったもんじゃない。


 どうやら食事が終わったガッダインチームはそれぞれが自由時間のようだ。

 玄太郎はまた目隠しをして一人で柔道の稽古を続けている。


 それを見ていた玄太郎の母親の巴は安心した表情を見せていた。

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― 新着の感想 ―
[良い点] モスクワの味のお菓子…… マーヤさんは関西系のテレビ放送もご視聴なさったかも。
[一言] 脱線マン……こちらもパプアニューギニアとは関係あるのかな?
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