第十九話 巨大獣ゾンゾン 暗闇からの暗殺者 2
柔道技の名前を変更しました。
この変更は後後で理由がわかります。
――十九話は大岩玄太郎が主人公の話だ。
北原未来要塞ベースに大きな野菜籠を持った女性が現れた。
龍也が訓練から帰って来た時、彼はその女性に気が付いて代わりに野菜籠を持ってあげると言った。
だが、その野菜籠を持った瞬間に龍也はひっくり返ってしまった。
その籠の中には数十キロ以上の野菜が入っていたのだ。
転がってきた野菜を拾った玄太郎は、目の前の人物を見て涙目になった。
それは、九州にいるはずの彼の母親、巴だったのだ。
嬉しさのあまりに母に抱きつこうとした玄太郎はいきなりその場で投げ飛ばされる。
地面で空を仰ぐ玄太郎に対し、母である巴は――情けない、あの程度の投げも避けられれないのか、鈍ってるねぇ――とため息をついた。
その日、おタケさんに新鮮な野菜を渡した巴は、玄太郎の様子を見に来たと言ったが、あまりの腑抜けぶりに呆れたのでもう帰ると言い出した。
ガッダインチームが巴に話を聞くと、彼女はかつて女三太郎と呼ばれた凄腕の柔道家で、玄太郎の父はミュンヘンオリンピックの金メダル候補だったそうだ。
だが玄太郎の父はオリンピック前に事故で亡くなってしまい、身重の巴は女手一つで玄太郎を父に負けない立派な金メダリストとして育てると決意した。
巴の指導を受け、成長し柔道大会の九州決勝に勝った玄太郎は、適性検査でガッダイン5のパイロットに選ばれ、東京に向かう事になった。
国の為、地球の為と息子を笑って送り出した母親の巴だったが、玄太郎からは手紙の一つも来ないので、居ても立ってもいられなくなり、自ら北原未来要塞ベースにやって来たのだそうだ。
母親に腑抜けていると言われた玄太郎は日々の稽古を再開し、朝晩と柔道の練習に取り組んだ。
その際に巴は玄太郎に目隠しをして練習しろといった。
そんな事出来るわけないたい! と言った玄太郎を巴は自らが鉢巻きで目隠しをしてどこからでもかかって来いと玄太郎に言った。
そして巴は襲い掛かる玄太郎を全て目隠しのまま、何度も投げ飛ばした。
母親の鍛錬の成果を見た玄太郎は自らも目隠しをし、稽古を続ける。
一方その頃、後の無くなっていたシャールケンはミザーリンに命じ、巨大獣ゾンゾンで夜の都市を襲撃するように命令する。
巨大獣ゾンゾンはステルス機能を持った巨大獣で姿を透明化する事が出来た。
夜の闇に紛れて出現した巨大獣ゾンゾンはその姿を消し、見えない暗闇からガッダイン5を苦しめる。
だが見えない敵を倒す方法を玄太郎は見極め、オイに任せて欲しいと言ってゾンゾンの攻撃を待ち受ける。
その気配を察し、ゾンゾンを投げ飛ばした玄太郎はそのまま柔道技の巴投げでゾンゾンを空に投げ飛ばし、超電磁スマッシュを決めた!
次の日、再び巴と対決させてくれと言った玄太郎は、目隠しをしたまま彼女と柔道対決をした。
そして見事彼女を投げ飛ばした玄太郎は、地面に落ちる瞬間に手を止め、巴が怪我しないように手を差し伸べた。
息子の成長ぶりに感動した巴は、――せがれを頼みます――と言い残し、九州に帰っていった。
と、まあこれが十九話の話だ。
何というか、少し毛色の違う話というか、柔道馬鹿一代や、ミュンヘンへの柔道を思い出す泥臭いスポコン話といった感じで、初期の頃の長富作品を思い出す内容だった。
ガッダイン5が出てきて最後戦うから一応ロボットアニメとはわかるが、もしこれでロボットのシーンが無ければ普通の柔道スポコンアニメと見間違えるような話だった。
だがそのガッダイン5と巨大獣の戦いも柔道の動きのような戦い方だったので、エンディングをよく見ると実際の柔道のメダリストが監修に入ってた。
スポ根アニメを以前からやっていた長富監督の縁とはいえ、まあそりゃあ本格的な話が作れるわけだ。