第十九話 巨大獣ゾンゾン 暗闇からの暗殺者 1
どうやら今日は合体ロボアニメの悪役美形キャラで有名な市川治氏の誕生日でした。
今作でのシャールケン提督のモチーフになった方です。
イチナナのデザインがそのまますぎると指摘されたので修正しました
いずれはペン入れして色付けしたロボに差し替えます
「ブレインサマ……キケン、キケン。ガッダイン……イチナナ」
俺が最後に聞き取れたハリケーンロボの音声はそう記録されていた。
――巨大頭脳ブレイン総統――
鉄巨人イチナナの敵で超大型自立再生コンピューター。
元は地球環境維持用の巨大コンピューターで、どのような災害にも対応し、計画を実現出来るように自己再生能力も搭載された。
災害対策として地層の岩盤の硬い秩父の山奥に設置されていたが、完成寸前に雷を受け、自我が目覚める。
その後、長い演算の末……地球環境維持、保全の為には人類こそが計画を妨げるバグであると認識し、人類抹殺の為に世界中のコンピューターシステムを掌握した。
その際に西ガリア連邦の国家機密だったアインゼプト、アインアハトのデータを入手、ゲオルグ・ヘミングウェイ教授に自らの部下になるように打診するも、断られる。
なんというか、トラノコプロの――人造の騎士ガシャーン――の――ブレイキング・ザ・ボス――と同じような設定といえばそんな感じだな。
まあ雷で自我が生まれるってのはフランケンシュタインの怪物の古典ネタなので、よく使われるモチーフではあるが。
鉄巨人イチナナの一話のその後の話はこんな流れだったな。
その後、巨大頭脳ブレイン総統はゲオルグの息子であるウルフ・ヘミングウェイとコンタクトを取り、野心家のウルフは父親を殺して国家機密だったアインゼプト、アインアハトを手に入れようとした。
だが、自らの危険を察知していたゲオルグ教授はアインゼプトを改良し、鉄巨人イチナナとして自らの娘フジ子・ヘミングウェイに託した。
ゲオルグ教授は、フジ子には彼の妻の姓である大月を名乗らせ、自分との接点を出来るだけ見せないようにしようとした。
だが、そんな小細工は巨大頭脳ブレイン総統には全く意味が無かった。
母方の祖父達に育てられたフジ子はピアノコンサート会場に向かう途中で謎の集団に襲われる。
それはイチナナの秘密を手に入れようとした巨大頭脳ブレイン総統と、その手下になり果てた兄のウルフの仕業だった。
絶体絶命のピンチの彼女を助けたのは、上空から振り下ろされた大きな鉄の手だった。
フジ子がその手の上を見上げると、そこに居たのは胸に巨大な17と書かれた巨大ロボットだった。
その日からフジ子・ヘミングウェイと鉄巨人イチナナとの長い戦いが始まったのだ。
といった話だった。
しかしこれもまた浜野作品に負けず劣らずのハードっぷりで、第一話で育ての親の祖父と祖母がどちらもブレイン総統の手下達に殺されるシーン、これはかなり強烈だった。
――しかし、本来の話では二十話のゲストだけだったはずの鉄巨人イチナナが今のこの流れではガッツリと物語の根幹に食い込んでいる。
これは俺がこの世界に転生してしまったバタフライエフェクトというべきなのだろうか?――
まあ本来の三島長官の立ち位置がケン坊だけでは成り立たないので、三島長官に匹敵する最強軍人としての剣崎隊長がいるのは心強い話ではある。
さて、巨大獣アビンガーが負けてしまったのでバルガル将軍は帰還準備に入ったようだ。
一方のミザーリンはどうにか病院にあの防衛隊員達を搬送出来たようで、もうすぐ戻ると通信機タブレットで連絡があった。
どうやらもう一つのタブレットは無事にケン坊(三島長官)に渡せたようだ。
俺はあえてケン坊には直接連絡できないようにしてある。
あまりに情報を一気に出してしまうと、流れが大きく変わりすぎてしまうかもしれないからだ。
さて、そろそろ第十九話の展開に合わせた話の流れを進めるとするか。
確か、この話は北原未来要塞ベースに、九州から玄太郎の母親がやってくる話だったな。
普段印象の薄い玄太郎が主役の話で、この母親が勝利のキーパーソンになったんだ。