表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
141/646

第十八話 巨大獣アビンガー ブキミーダの暗躍 7

 巨大獣アビンガーが完成した。

 両肩の巨大ソーサーもいい感じに仕上がっている。


「おお、ブキミーダ殿、これは良い巨大獣ではないか!」

「これはこれは、バルガル将軍殿、もうお身体はよろしいんですか?」

「うむ、いつまでも吾輩が休んでおっては兵士達に示しがつかん。これくらい骨にひびが入った程度で休んでられぬわ」


 バルガル将軍が俺に質問をしてきた。


「なあ、ブキミーダ殿よ。笑わないで聞いてもらえるか?」

「おや、バルガル将軍殿、一体どうしましたかな?」

「実は……恥ずかしい話なんだが、吾輩は子供に負けてしまったのだ」


 まあ、あのケン坊の中身の三島防衛長官に勝てる奴なんてこの世界に誰がいるのだろう。


「それだけならまだしも、なんと……あのシャールケン様もその子供に負けたのだ……地球人にまさかあんな強いヤツがいるとは……とてもではないがこんな話、誰にも報告できんからな」


 そりゃあ報告のしようが無いだろう。

 ダバール星人最強の軍人二人が地球人の子供相手に二人共負けてしまったなんてお笑い種にすらならない。


「悪かったな、ただのボヤキだ。吾輩もたまにはこんな事を言いたくもなるもんだ。だが流石にこの話はみどりさんにもするわけにはいかんからな。信頼できるブキミーダ殿にだけ話させてもらって気分が楽になったわい」


 マジで原作とは大きく流れが変わっているもんだ。

 ブキミーダ相手に――吾輩が一番宇宙で信用できないのがキサマだ!――と言っていたはずのバルガル将軍が俺に悩みの相談をしてくるくらいなんだから。

 そしてそのブキミーダは防衛軍の三島防衛長官の中に入ってガッダインチームを私物化しようとしている。


 その計画を阻止するための方法としてはスパイドローンで聞いたミザーリンとケン坊(三島長官)の作戦を成功させる必要がある。

 バルガル将軍はもう出撃準備が出来ているようだ。


 シャールケン提督は本星のデスカンダル皇帝に何かを言われているらしく、今は謁見の間には誰も立ち入り禁止だ。

 多分今後の基地司令降格の話が進んでいるのだろう。


 だが、本来の十八話のように俺がわざわざグレートシャールケンに細工をして出撃不能にするつもりはない。

 さて、シャールケンはこの後どう動くのだろうか。


「ブキミーダ殿、それでは吾輩はドグローンで日本に向かう。後の事は頼んだぞ!」

「バルガル将軍、ご武運をお祈りしております」


 バルガル将軍は機動要塞ドグローンに巨大獣アビンガーを載せ、日本を目指した。

 その直後、入れ替わるようにミザーリンが小型艇で戻ってきた。

 どうやら変装は解いていないらしく、彼女は青木大尉の姿のままだ。


「ブキミーダ様! 大変なことが分かりましたっ! わたくしの手に入れた情報によると――なんと、あの地球防衛軍の三島防衛長官は真っ赤なニセモノだそうです!」

「えぇ!? それは本当かぃ!!」


 俺はわざと今知ったようなふりをした。


「三島防衛長官がニセモノだって……それじゃあ本物はどこにいるんだ?」


 当然俺は先程のケン坊とミザーリンの会話を聞いているので内容は全部知っている。


「本物は……別の場所に居ます。ですが、今はそれをお伝えすることは出来ません。ただ、本物の三島防衛庁長官は地球とダバール星の戦いを一日も早く終わらせたいと言っておりました」

「そうなのか。それでは俺達も一日も早く戦いを終わらせるようにしなくてはいけないな」

「はい、ブキミーダ様。それではわたくし、ガッダインチームを助け出す為にまた日本に戻りますので、これで失礼します」


 ミザーリンは俺に報告を終わらせると、再び日本に向かうと言った。


「ちょっと待ってくれ、これを持って行って欲しい」

「ブキミーダ様、これは??」


 俺がミザーリンに渡したのは、超小型の通信機搭載コンピューター付きカメラ……つまり今でいう簡易式タブレットだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「面白い!」「続き読みたい!」など思った方は、ぜひブックマーク、下の評価を5つ星★★★★★よろしくお願いします! していただいたら作者のモチベーションも上がりますので、更新が早くなるかもしれません! ぜひよろしくお願いします!

ゆーたん(たけのこ派)

別作品です、こちらもどうぞよろしくお願いします。
双子が姉妹の令嬢として再度生まれて人生を入れ替えてやり直す話です

運命のゆりかご・生き別れの双子令嬢は猫に導かれ互いの人生をやり直す



魔族の男がポンコツ女達に振り回されるギャグです

魔王軍最強触手幹部 左遷先の不毛の地で困窮する食糧事情を解決、なし崩しに出来たハーレムで本土に逆襲大作戦!!

元ゲームクリエイターが転生して救世主になるファンタジーです

『転生クリエイターのマップチェンジャー』圧倒的な魔力でチート能力を使い一瞬で天変地異を巻き起こす元ゲームクリエイターの転生者はハズレスキルの地面作成(マップチェンジ)を使いこなし救世主となる!

改心したワガママ令嬢が人生をやり直す話です。

ワガママ令嬢は挫けない 〜傾国の悪妃として処刑されましたが、今度こそ誰もに愛されるよう努力します〜

ダンジョン配信でミミックが悪人を退治する話です。

社会のゴミ箱DQNイーター 元ラストダンジョン裏ボスつよつよピザ好きミミックが移動先のダンジョンでよわよわヒーロー仮面配信者と世直し配信!

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ