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第十八話 巨大獣アビンガー ブキミーダの暗躍 1

 北原未来要塞ベース侵攻作戦に失敗したシャールケン提督は、バルガル将軍達を引きつれ、奇岩島基地に撤退した。


 まあ本編の流れと同じと言えば同じ、違うと言えば違うと言った結果か。


 本編で助けに来たのは三島防衛長官とその精鋭だった。

 だが今回北原未来要塞ベースに救援に来たのは本来二十話だけのゲスト出演だったはずの――鉄巨人イチナナ――に出てきた剣崎隊長率いるブルーマフラー隊とイチナナだった。


 流石の俺もこの展開は予測がつかなかったが、結果として北原未来要塞ベースが無事だったのは変わりがない。


 さて、シャールケン達を追い払ったこの話だと、そろそろ代々木博士によるマグネコンドル計画が話される頃だな。

 俺は昆虫型スパイドローンで北原未来要塞ベースの様子を見ていた。


 どうやら俺の陽動作戦によって東京に向かわされていたガッダインチームが帰還したようだ。


「おお、みんな。待っておったぞい。ご苦労さん」

「おっちゃん! オレ達のいない間に基地にダバール星人が攻めてきたって聞いたけど、大丈夫だったのか!?」

「おお、それは大丈夫じゃったぞい。ここにいるブルーマフラー隊の剣崎隊長とケン坊くん、それにフジ子くんと鉄巨人イチナナがダバール星人を追い払ってくれたからのう」


 剣崎隊長はタバコを吸っていたが、ガッダインチームが到着したのを見て、吸いかけの煙草を灰皿に押し付けて火を消した。


「お前達こそ、東京を守ってくれて助かった。感謝する」

「いえいえっ。剣崎隊長っ。基地を守ってくれてありがとうございますっ」

「おや、北原隊員は……もしや、北原光一郎博士の娘さんですか?」

「はい、私の父は北原光一郎ですっ」


 それを聞いた剣崎隊長は何か思い出しているようだった。


「俺がまだ若い駆けだし隊員の頃、三島大佐と一緒に君の父親を護衛した事がある。あれは海外の学会に行く際の話だったか。彼は立派な人だった」

「剣崎隊長は父を御存じだったのですかっ」

「ああそうだ。その際に俺も――マグネコンドル計画――に参加したからな」


 ここでこの話が出てきたか!


「おっちゃん、その……まぐねこんどるって何だよ?」

「おっちゃん言うな、そうじゃな……そろそろ話すべき時が来たかもしれん。この話、他言無用で頼むぞい」


 代々木博士は、北原未来要塞ベースが実は外宇宙航行用大型宇宙船だとガッダインチームに伝えた。


「マジかよ! この基地が大型宇宙船だって!?」

「フッ、まあ随分先鋭的なデザインの建物だとは思っていたが、まさかこれが空を飛ぶとはな」

「こんなデカブツが空を飛ぶとは、全く信じられないですばい……」


 まあガッダインチームの驚きも当然だろう。

 本編を見ていた時の子供だった俺も、まさかこの基地が宇宙船になって空を飛ぶとは思ってもいなかった。


 まあ今見ればどう見ても大型宇宙船の艦橋にしか見えない形なんだけどな……。


「ご主人様ー。コイツら何を言ってるんですかー?」

「マーヤちゃん、彼等が言っているのは、あの敵の基地が空を飛ぶ大型の宇宙船だって事だよ」

「そんなー! 信じられませんよ。もしアレが大きな宇宙船だったらこの基地ドカーンじゃないですかー!」


 まあ、確かにその通りなんだけどね。

 実際この奇岩島基地が壊滅するのは三十八話。


 大型宇宙船として浮上したマグネコンドルの最強必殺武器マグネブラスターで吹き飛ばされて奇岩島基地は壊滅する。


 このマグネブラスター、【ロボットシミュレーションゲームでは】最強マップ兵器として使えるもので、消費エネルギーは300を超えるのでマップでほぼ一度きりしか使えない最強武器だった。

 ただし使えるとしたら後半というより終盤、マグネコンドル浮上のイベントの後だ。

 その破壊力は本編映像で見たのと同じくらいの迫力になっていた。

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