第十七話 巨大獣ゾゲルル シャールケンの怒り! 9
ガッダイン5と巨大獣ゾゲルルが向かい合っている。
「何だ何だ、今回の巨大獣、変な格好しやがって!」
「達也さん、気を付けてください。どうもこの巨大獣、変なんです」
竹千代、お前もうこれを見抜いたのか? 流石は天才少年だな。
「達也さん、あの巨大獣、やたらと凸凹してませんか? アレはきっと大量の爆弾やミサイルを搭載しているんです。以前も全身ミサイルみたいな奴は居ましたが、アレはそれをさらに特化させた巨大獣に違いありません!」
「ってことは、下手に攻撃したらドカーン! って事じゃねえかよ!」
まあ、本編の流れだとそうなるな。
だが今回の俺の魔改造で、この搭載したミサイルの大半に威力は少なく、音と爆発だけはデカい花火にしているんだが。
何だ言っている間に防衛軍のファントム戦闘機が飛んできた。
どうやら三島長官の中のアイツが送り込んできたに違いない。
「キサマら、あの巨大獣の弱点はあのミサイル格納部分だ、そこを重点的に狙え!」
「了解……ファントム、B攻撃を開始します!」
アイツ、やはりこの巨大獣を派手に爆発誘爆させようと考えてきたか、そうはさせるか!
「巨大獣ゾゲルル、ザコにはかまうな、ガッダイン5だけ狙え!」
「ガゴオオオンッ!」
巨大獣ゾゲルルのミサイルランチャーが発射された。
それは一気に撃ち出され、あっという間に格納庫が空っぽになった。
その瞬間にファントム戦闘機から対地ミサイルが発射された。
よっしゃ、タイミング間に合った!
「ミサイル、巨大獣に命中!」
「よくやった! ケカカカカカカッ!」
このブキミーダ独特の笑い方、三島防衛長官の声だと尚更に不快感に嫌悪感まで増し増しだ。
だが、ヤツの笑いはぬか喜びで終わった。
「何故だ!? 何故派手に爆発せんのだ?」
お生憎様、この巨大獣の誘爆の危険性は俺が一番よく知っている。
だからミサイルを一気に花火のような殺傷能力の低いものに変えた上で、一気に発射したので、難燃性素材で作られた巨大獣ゾゲルルは大爆発を起こさないのだ。
「けっ! アイツ見掛け倒しだぜ! あんな奴一気に倒してやろうぜ!」
「達也さんっ。あまり無茶をしないでっ」
「大丈夫だって、千草。アイツを街中で爆発させなきゃいいんだろ。だったらこれでどうだ!」
龍也は超電磁ワイヤーの先端にマグネティックランサーを結び付けて、巨大獣ゾゲルル目掛けて投げた。
「これで一気に海まで投げ飛ばしてやるぜ!」
ガッダイン5が巨大獣ゾゲルルを捕らえ、上空に飛び上がった。
「うらうらうらうらぁあー! 遠くまで飛んでいけぇー!」
巨大獣ゾゲルルはガッダイン5によって東京湾まで投げ飛ばされた。
「達也、ビッグミサイルだ! おれに撃たせろ!」
「流、わかった。頼んだぜ!」
「おう、ビッグミサイル……発射っ!」
ガッダイン5の背部から狙いを付けたビッグミサイルが放たれた。
ビッグミサイルは東京湾に投げ飛ばされ、身動きの取れない巨大獣ゾゲルルを捕らえ、直撃した。
「ゾゲェエエルルゥウッ!」
ドガァアアン!
巨大獣ゾゲルルはビッグミサイルを受けて爆発した、だが何だか爆発がショボい感じだ。
「ご主人様ー。折角だからあの巨大獣の残骸拾って帰りませんかー?」
「え? マーヤちゃん、何言ってるの?」
「だって、経費を使ってご主人様がロボットを作ったら怒られると言ってたから、残った残骸を回収して使い直せばご主人様の専用ロボ作れるんじゃないかなーって……」
その発想は無かった!
確かに、本編で爆発した巨大獣が残骸で残っているなら、そのパーツを使えば俺用ロボの材料に使える。
確かに試してみる価値はありそうだ。
俺はグローン円盤を使い、巨大獣ゾゲルルの残骸から使える部分を回収して奇岩島基地に向かうことにした。
あれ? 何だか戦闘シーンが随分呆気ない気がする。
そう言えばこの話、前半パートだけでガッダイン5が巨大獣を倒すって話だったー!!