第十七話 巨大獣ゾゲルル シャールケンの怒り! 4
困った事になったもんだ。
エリーザ様がもし龍也に自分がダバール星人だと伝える事が出来ていれば、今後展開はもっと違ったはず。
今回の戦争、モブには厳しいとはいえ……主要人物は誰も亡くなっていない、つまりは【ロボットシミュレーションゲームのIF】と同じ状況で、シャールケンを説得可能だと言えるのだ。
だが、今回エリーザ様の告白が上手く行かなかったので、ダバール星人と地球人との直接交渉が出来るチャンスは遠のいてしまった。
今度チャンスが有るとするならば、北原千鶴の母、みどりさんを地球人に人質として返す事が出来た場合だと言えるだろう。
その為にはシャールケン提督には死んでもらっては困る。
もしみどりさんを返す事が出来ても、今度はシャールケン提督が物語の展開中で亡くなってしまうとエリーザ様が交渉の中心人物になる流れが作れなくなってしまうからだ。
つまり、――シャールケン生存と、みどりさんの生存――これこそが地球人とダバール星人の戦争を終わらせる絶対条件だと言えるのだろう。
その為の懸念事項があるとすれば、今の三島防衛長官の中のアイツとデスカンダル皇帝だ。
今の三島防衛長官の中にいるのは本編終了後の処刑されたブキミーダ本人だ。
アイツは地球人もダバール星人も憎んでいる。
また、デスカンダル皇帝がいる限り、アイツは地球侵略を諦めないだろう。
そう考えると後半の登場人物であるアクラデス執政官も敵に回すわけにはいかない。
アクラデス執政官とダンダル軍務卿は失態続きのシャールケン提督に変わる後半の登場人物だ。
彼等(?)はシャールケン提督失脚後の地球侵略司令官になるわけだが、そのシャールケンが提督から失脚するきっかけの話がこの十七話だったと言える。
さて、いつものガッダイン5大百科からの十七話を思い出すと……。
失態続きのシャールケン提督はついにデラヤ・ヴァイデスから奇岩島に到着した。
彼は奇岩島基地に到着すると、今までの地球侵略が上手く行かないのはバルガル将軍、ミザーリン諜報官、ブキミーダ参謀長の三人がいがみ合ってるのが理由だから全員に協力するように命令する。
この命令を受けた三幹部は渋々協力する呉越同舟の作戦を考えるが、それが上手く行くわけも無く……バルガル将軍は俺はやってられないと修理途中の巨大獣バルバルで出撃する。
一方のミザーリンは協力しようにも他の二人が無能なのでいくらいい情報を手に入れても活かせないのじゃ意味が無いといって北原未来要塞ベースに向かい、要塞の秘密を探ろうとする。
そしてブキミーダは後の二人は無能だが、自分は優秀だと思い込み、巨大獣ゾゲルルを使った首都東京の絨毯爆撃計画を実行しようとする。
こんな三人が協力できるわけも無く、作戦は全部が失敗、しびれを切らしたシャールケンは自らが専用ロボグレートシャールケンを使ってガッダイン5と戦うと言い出す。
だがグレートシャールケンは未完成で出撃出来ず、シャールケンは仕方なく機動要塞ドグローンで北原未来要塞ベースに向かい、要塞を占拠しようとする。
前回の要塞占拠で反省をした三島防衛長官は警備を固め、精鋭部隊で北原未来要塞ベースに向かい、自らも前線に立つ事でシャールケンと一対一で戦う。
シャールケンと三島、お互い一歩も引かない戦いをする二人の水を差したのは東京絨毯爆撃を終わらせた後、北原未来要塞ベースも破壊して功績を得ようとするブキミーダだった。
この戦いに水を差されたシャールケン提督は興が削げたので一旦撤退すると三島防衛長官に告げ、必ず再びこの場に現れてここを占拠すると宣言する。
――と、これが十七話の話だ。
ここで初めてシャールケン専用ロボ、グレートシャールケンが登場したんだよなー。
上半身だけだったけど……。