表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
127/646

第十七話 巨大獣ゾゲルル シャールケンの怒り! 3

「エリーザ様、やりたい事とは……?」

「大丈夫です、そう時間はかかりませんから」


 この流れ、ひょっとしてエリーザは龍也に告白しようというのか?

 それだと一年後の番組の――獣将ダイノス――みたいなロミオとジュリエット展開になりそうだな……。

 まあガッダイン5大百科によると、その話は長富監督が本来考えていた話の流れなので、それはそれでアリなのだろうけど……。


「わかりました、それでは一時間後ここに戻って来て下さい。わたくしとマーヤはここの岬で待っていますから」

「はいはーい、エリーザ様ー。行ってらっしゃーい」


 コレ絶対マーヤちゃん話の流れ分かってないよね。

 まあミザーリンがここで待てと言えば待ってるだろうけど。


 俺の予想通り、エリーザ様は龍也の元に走った。


「龍也サン、少しお話が……」

「エ、エリさん? 話って……何だよ?」

「達也っ。私あっちの方に行ってるわねっ」


 千草が空気を呼んで場所を離れた。

 どうやらエリーザ様の気持ちを理解したのだろう。

 だがその時の千草の表情は何とも複雑なものだった。


 龍也とエリーザ様は少し離れた岩陰の自然の洞窟の入り口に来た。

 どうやらここでエリーザ様は龍也に告白をしようと言うのだろうか……。


「龍也サマ。実は、わたし、どうしてもお伝えしたい事があるんです」

「エリさん、突然どうしたんだよ?」

「達也サマ。これから話す事……決して誰にも言わないでいただけますか?」

「あ、ああ。エリさんがそう言うなら誰にも言わないぜ」


 エリーザ様は龍也に飛び掛かるように抱きついた。

 これは間違いなく愛の告白だろうな……。

 

 ――だがそれをスパイドローンで見ている俺って、邪魔者なんだろうかなー。


「達也サマ……わたし、貴方をお慕い申しております。ですが……それは決して許されぬ事……」

「エリさん、一体どうしたんだよ!?」

「達也サマ……実は、実はわたし……兄がいるのです」


 この流れ、やはり――獣将ダイノス――の話と同じだ、まあ脚本家が同じなのでこういう話の展開はあってもおかしくない。

 という事は、エリーザ様は兄がシャールケン提督だと伝えるのだろうか?


「そうか、お兄ちゃんがいるのか。それでオレをお兄ちゃんみたいに思ってくれているってわけだな」

「そうではありませんっ!」

「え? 違ったのかよ。オレ、お兄ちゃんってキャラじゃないのか」


 龍也よ、お前も空気読めないキャラだな。

 この流れで兄がいるなんて言えば少し察しの良い人ならロミオとジュリエットを想像すると思うけど。

 まあ少年院帰りで学の無い龍也にそれを求めても無理ってもんか。


「わかった、つまりエリさんはダバール星人のせいで生き別れてしまった兄さんをオレに当てはめてたってわけだな。安心しろ、オレがエリさんの兄さんを見つけ出してやるから!」

「違います。そうでは、そうではありません……」


 ダメだなこりゃ。

 どう考えてもロミオとジュリエット的な、――兄が敵だ。という告白も、エリーザ様本人が伝えたい龍也への思いもどちらも伝わらなそうだ。


「じゃあどういう事だよ、エリさん?」

「実はわたしの兄は……シャー……」

「おーい、誰かいるのかー? ここで花火をやろうと思ったんだけどよー」


 ガンテツ、よりによってこのタイミングで現れるか? コイツ。


「おー、ガンテツさん達、いいとこに来たじゃん、花火か。楽しそうだな。どうだい、エリさんもやらないか?」

「っ……もう、もういいですっ!!」

「え、エリさーん?」


 オイオイオイ、龍也よ、こりゃどう考えてもエリーザ様の心を傷つけるの当然だろうに……。

 まあコイツは女心なんてわかるわけないからな。

 走っていくエリーザ様とすれ違った千草が声をかけた。


「あっ。エリさんっ、どうしたのっ」

「何でも、何でもありません! 放っておいて下さい」


 そう言い放ち、エリーザ様はミザーリン達の待つ岬まで泣きながら走った。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「面白い!」「続き読みたい!」など思った方は、ぜひブックマーク、下の評価を5つ星★★★★★よろしくお願いします! していただいたら作者のモチベーションも上がりますので、更新が早くなるかもしれません! ぜひよろしくお願いします!

ゆーたん(たけのこ派)

別作品です、こちらもどうぞよろしくお願いします。
双子が姉妹の令嬢として再度生まれて人生を入れ替えてやり直す話です

運命のゆりかご・生き別れの双子令嬢は猫に導かれ互いの人生をやり直す



魔族の男がポンコツ女達に振り回されるギャグです

魔王軍最強触手幹部 左遷先の不毛の地で困窮する食糧事情を解決、なし崩しに出来たハーレムで本土に逆襲大作戦!!

元ゲームクリエイターが転生して救世主になるファンタジーです

『転生クリエイターのマップチェンジャー』圧倒的な魔力でチート能力を使い一瞬で天変地異を巻き起こす元ゲームクリエイターの転生者はハズレスキルの地面作成(マップチェンジ)を使いこなし救世主となる!

改心したワガママ令嬢が人生をやり直す話です。

ワガママ令嬢は挫けない 〜傾国の悪妃として処刑されましたが、今度こそ誰もに愛されるよう努力します〜

ダンジョン配信でミミックが悪人を退治する話です。

社会のゴミ箱DQNイーター 元ラストダンジョン裏ボスつよつよピザ好きミミックが移動先のダンジョンでよわよわヒーロー仮面配信者と世直し配信!

― 新着の感想 ―
[一言] ガンテツこの野郎!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ