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第十五話 巨大獣ジャーゴン 海からの侵略者 4

 さて、ミザーリンとマーヤちゃんがどこまで買い物に行っているかはわからないが、俺は俺でこの巨大獣ジャーゴンを作る作業をやらなければ。


 ……と思っていたんだが、何だか非常にご機嫌斜めのエリーザ様が姿を現した。

 これ何か嫌な予感がするんだが……。


「ブキミーダ! わたし、海に行きたいですわ!」

「え? 海ですか? この島は完全に海に囲まれていていつでも海に行けますし、魚も釣れますけど……」

「そうじゃありませんわっ! わたしは、海水浴に行きたいのっ!!」


 あ、コレ……間違いなく北原未来要塞ベースのスパイドローンの映像と音声から海水浴の話を聞いたんだな。


「ですが、危険です。もしエリーザ様に何かありましたら、シャールケン様がどれ程お怒り……もとい、悲しみになるか……」

「ブキミーダ、わたしの命令が聞けないの!?」

「い、いえ。そういうわけではありませんが……」


 あーもう、こういう時にバルガル将軍がいてくれれば常識人として窘めてくれるのに……彼は今負傷中でみどりさんが看病をしている。

 これ後数話は復帰できないの確定だからなー……。


 仕方ない、ここは下手に誤魔化せないので仕方ないから話を聞くしかないか。


「わかりました。ただし、条件があります」

「わたしに交換条件とはいい身分ね。どういうつもりかしら?」

「いえいえ、そういうわけではございません。ただ、海水浴に行くには水着が必要ですから、それを用意していただいた上でという事でしたら……」


 こう言っておけばあきらめるだろう。


 水着を買いに行ったミザーリンやマーヤちゃんと違い、ここから水着を買う為にドグローンを動かせとは流石にエリーザ様も言わないだろうから……。


「わかりました。オイ、そこのお前。捕虜の中にデザイナーがいるかどうか調べてまいれ」

「はっ承知いたしました、エリーザ様」


 えっ?? ええっ!? そんな方法アリ?

 エリーザ様は地球人の捕虜の中からデザイナーを探してこいと部下に命令をした。

 それやられたら水着を用意されてしまうではないか。


 俺の嫌な予感は当たった。


「エリーザ様、捕虜の女の中にデザイナーのホシノ・ジュンコと名乗る者がおりました」

「ご苦労、さっそくわたしの部屋に呼びなさい」


 あーあ、デザイナー見つかっちゃったよ。

 しかし――ホシノ・ジュンコ――って、超一流のファッションデザイナーじゃないか!

 彼女は――ユミ・カツラギ――と同じくらい有名なデザイナーだ。


 早速エリーザ様はホシノ・ジュンコに自らのスリーサイズを測らせているようだ。

 あーあ、これはもう海水浴は避けられない流れだな。

 こうなったらミザーリンとマーヤちゃんにエリーザ様の護衛を頼むか……。


 さて、俺は陸地まで移動できるように巨大獣ジャーゴンの作成の続きをやりますか。


 その後は、折角誰もいないんだから久々の俺の趣味の事をやろう。

 しばらくはマーヤちゃんがずっと部屋にいたので出来なかったからな。

 俺の前の人生からの趣味だったが、この今の環境なら本物を作れるかもしれない!


 ――そう、巨大獣ではない俺だけオリジナルの専用ロボットだ!!――


 その為には体調が悪いという話にしておかないと、俺も海水浴場に連れて行かれてしまう。

 流石にこの背格好で海水浴場には行きたくないしな。


 ――そう言えば俺の部屋の冷蔵庫にしばらく前の牛乳が入っていたはず。

 コレを間違えて飲んだという事にすれば。


 俺は早速部屋に戻り、チョット臭う牛乳を一気飲みした。


 !! 効果てきめん! トイレはどこだっ!?

 ……というかマジで腹が痛い。こんなこと止めておけばよかったかな……。


 巨大獣を完成させた後、俺はしばらく部屋の中で寝室とトイレを行ったり来たりする事になってしまった。


「ご主人様ーただいまー。って、一体どうしたんですかその顔色!?」

「す、すまないがお腹を壊してしまったようだ……俺はちょっと出かけるわけにはいかない……」


 俺の身体を張った自爆はどうにか成功したようだ。

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[一言] ブキミーダ専用ロボ……! この混沌の未来を照らす希望となるか……?
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