表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
世界最強の暗殺者にとって、学園無双なんて簡単過ぎる仕事だろう?  作者: 座闇 びゃく
第三章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

59/59

五十八話 人生を

■□■□




 戻る最中、巡回中の蒼冥と出くわした。子どもを抱える暗翔に目を丸くした彼は。


「失礼……その、子育て中とは……」


「違うわ。勝手に想像するなっ」

 

 短いやり取りを交わすと、巡回に戻る必要があると蒼冥がどこかに姿を消していった。

 やっとの思いで人混みを駆け抜け、屋上に戻って来た時には、既に花火が打ち上がっていた。


「に、兄様……え、まさか」


「お姉ちゃん!」

 

 二人の姉妹が再会。すると、夜雪が涙を流しながら、そっと抱きしめていた。

 オレンジ色の花火舞い上がる。紅舞が目の前にやってくると、目を瞑った。唇と唇が、重ね合う。軽い感触が押し当てられた。ふわり、とシャンプーの香りが鼻をつつく。


「にゃにゃ!? 暗翔君ッ。不純異性交遊だにゃっ!」


 こちらの存在に気が付いた猫先生が、叫び声を上げながら近寄ってきた。すると、夜雪までもがキスをしていたという事実を把握してしまう。

 強引に肉薄した夜雪が、自らの胸を押し当て、半端強制的にキス。


「もぅ! 全員纏めて登校停止にゃよ!?」


「猫先生、俺は被害者だと思うんですけどね……」


「お兄ちゃんっ。ちゅ!」


 さらに頬に可愛げのある唇が張り付く。


「く、暗翔君っ……最低だにゃ。まさか、幼女好きとは……」


「だから俺は被害者なんだよ……」


「大丈夫ですわ、兄様。そんな兄様も受け止める寛大さを夜雪は持っていまして」


「ちょっとちょっと! それって普通に犯罪じゃないのかしら。未成年暴行とか人間失格ね」


 薄暗い炎を宿した紅舞が、睨みを効かせてくる。


「違うからな、夜雪。それと勝手に余罪を増やすな、紅舞」


 あはは、と暗翔を除く全員が笑う。つられて、暗翔も柔らかく微笑むと、花火が祝福するように、弾けた光が三人を包み込んだ。

 ――何者でもない人生。今からでも、遅くはない。一歩踏み出せば、自分の望んだ物が手に入る。そのことを、やっと知った。

 否――紅舞や夜雪と出会えたからこそ、組織という居場所から飛び出せた。

 暗殺だけを行う人生ではない。暗翔の望む普通の日常が、これからも続いていく。

 紅舞と夜雪に顔を向ける。天に手を伸ばすと、開かれた手のひらが何かを掴むかのように閉じられた。

 ――ここが出発点だ。

 

 

「『第(ゼロ)章』の開幕だ――あぁ、始めようか。仕事(暗殺)を――いや、仕事(人生)を」

改めて、読者の皆様全員に、感謝申し上げます。

 そして、本作の登場人物達にも。暗翔、紅舞、夜雪、猫先生、蒼冥。全員が舞台に上がってこその物語でした。

 もしよろしければ、お気に入り登録と、コメントを残していただければ幸いです。作者のモチベーションに繋がります!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ