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トナカイさんになりたくない

作者: 譚織 蚕

 真っ赤なおっはなの~♪


 この時期あちこちから聞こえて来る、クリスマスソングの定番です。


 知らない人のために一応。

 この歌のストーリーは、真っ赤なお鼻を持っているせいでいじめられていたトナカイ君が、サンタという理解者を得て彼の元で働き出すというもの。


 ……エグくね?


 虐められてたのは可哀想なんだがよぉ……


 いじめから助けて貰った代償が永年の労働(ソリを引きながら世界中の家を1晩で回る~デブっちょなおじいさんを載せて~)


 ……無理でしょ


 助けて頂いたという弱みに付け込まれ、彼は誰もやりたく無いような仕事に義理人情で従事させられているのだ。


 しかも、しかもだ。

 サンタとかいうジジイがトナカイを雇った理由は、"暗い夜道はピカピカのお前の鼻が役に立つのさ"だ。


 ……いやライト付けれよ!

 中世なら松明でも付けれよ!!!!


 こうしてサンタは、自己肯定感がボロボロで、虐められてメンタルもおかしくなった病んだトナカイを捕まえ、口八丁で過酷な肉体労働者として身も心も支配することに成功したのだ。


 ……ホストと一緒やん!


 あんな髭面の分際で俺らのトナカイちゃんを籠絡しやがって……


「お前の鼻は素敵だよ。うん、うん。虐められてて辛いよな? でもさ、お前を必要にしてるヤツもいるんだ。俺のために働いてみないか?」

「え…… でも私の鼻は大きくて不格好だし……」

「ばーか、それがいいんだよ」

「サンタさん……」


 トナカイ前のサンタさんはどうやって灯りを確保してたんですかねぇ……

 そもそもサンタさんがトナカイを雇った理由は鼻であり、トナカイもそのつもりだった。

 が、本当の仕事はそり引き。これは業務内容を意図的に隠したと言えるのではないだろうか?


 トナカイさんにはなりたくない。


 自分をしっかり持って、明るい未来、明るい企業に向かって歩いていこう。


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― 新着の感想 ―
[一言]  読ませていただきました。 面白い解釈でした。 トナカイさん、喜んでやってると思っていたので、なるへそ~視点を変えればですね。 そんなブラックな環境でも、それを生きがいにして、逆に楽しん…
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