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場所、変えるか

 はぁ……何をどうしたらあんなやつになるのだろうか。

 ものすごく不器用なのかな? いや、不器用で済ませたらいけないような気がする。

 うーん、なーんか愛が重いというか病みやすいというか。

 まあ、とにかくラファエラさんは変人だということだな、うん。

 私がフレアキャットの姿で自室に戻るとクレア(不老不死モンスターハンター)が目を覚ました。


「あー、クーちゃん……おはよう」


「おはよう。ん? お前なんか顔色悪いぞ?」


「え? そうかなー?」


 私は人の姿に戻ると彼女のひたいに手を当てた。


「うーん、熱はないようだな。まあ、とにかく今日は安静にしていろ」


「あー、うん、そうするー」


 彼女はそう言うと、ベッドに横になった。


「おい、マリー。私の背後に立つな」


「どうして私の居場所が分かったのですか?」


「お前の邪気は嫌でも感じるからな。お前が何をしようと私にはお前の居場所が分かる。で? クレアに何をしたんだ?」


「私は何もしていませんよ。まあ、小さなモンスターがクレアさんの体の中に入っていくところは見ましたけど」


「何? じゃあ、クレアの顔色が悪いのは」


「まあ、おそらくそのモンスターのせいでしょうね」


「待て。お前、見て見ぬフリをしたのか?」


「クレアさんなら大丈夫だと思いまして」


 私は彼女の襟首をつかむ。


「お前!!」


「彼女は不老不死なのですよ? 細胞が一つでも残っていれば再生できます。それにもう例のモンスターは死んでいると思います」


「なんだと?」


「ラファエラさんの固有特性で復活した私は固有特性で復活または存在を維持している者が分かるようになりました」


「つまり、クレアもお前と同じ……なんだな」


「はい。おそらくミシェル様が……」


「マリーよ、もう良い。あとはわしの口から話す」


 外出していたはずのミシェル様が私の部屋に現れる。

 いったいいつからこの部屋にいたのだろうか。

 いや、今はそんなことどうでもいい。

 今、私が知りたいのは……。


「ミシェル……お前、クレアに何をした? クレアは一度、死んでいるのか?」


「その話をここでしてほしいのか?」


「……場所、変えるか」


「うむ」


 私たちは部屋から出るとダイニングに向かった。

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