ネコ好き
あれ? 私は今まで何を……。
ああ、そうか。泣き疲れて眠ってしまったのか。
うーん、なんか妙に暑苦しいな。
あー、なるほど。クレア(不老不死モンスターハンター)とマリー(吸血鬼)が私の両サイドにいるから暑苦しいのか。
マリーはまあ、分かる。しかし、クレアがここにいる理由が分からない。
私はフレアキャットに変身するとベッドから飛び降りた。
人を勝手に抱き枕にするな。まったく、もう。
私が自室から出ようとするとミシェル様(ロリ魔女)がやってきた。
「おや? かわいいネコがおるのー。よしよし」
ミシェル様が私の頭を撫でる。
こいつ、絶対私だって気づいてる。
「ミシェル様、私です。クーです」
「クーよ、それは分かっておるから今は何も言うな」
やっぱり気づいてるじゃないか。
はぁ……仕方ない。しばらくネコのフリをしよう。
「ミャー」
「おー、よしよし。お前は本当にかわいいのー」
「お姉ちゃん、そのネコ何? 殺していい?」
うわあ、ラファエラさんだ。
なんて冷たい視線なんだ。
「ラファエラよ、このネコはクーじゃ。だから、殺すな」
「あー、あのガキか。ネコになってお姉ちゃんを魅了する気なのかもしれないけど、お姉ちゃんは誰にも渡さないから」
相変わらずミシェル様のことが大好きなんだな。
まあ、結構愛が重いけど。
「ラファエラよ、お前はどうしてクーに対して冷たいんじゃ?」
「私からお姉ちゃんを奪おうとするからだよ」
「わしは別に誰のものでもないのじゃがのー。クーよ、わしは少し出かけてくるからしばらくラファエラの相手をしてやってくれぬか?」
え? ちょ、それは普通に無理……。
私が首を横に振るとミシェル様はニッコリ笑った。
「おー、そうか。引き受けてくれるのか。では、少しの間ラファエラのことをよろしく頼むぞ」
こ、このロリババア! 都合よく解釈するな!
ミシェル様が指をパチンと鳴らすと彼女はその場からいなくなった。
ま、まずい……こ、殺される!!
ラファエラさんは私を抱き上げると私をギュッと抱きしめた。
「ネコに悪い子はいない。ごめんね、さっきはひどいこと言って」
あ、あれ? もしかしてラファエラさんってネコ好きなのか?
良かった。それなら好都合だ。しばらくネコになろう。
「ミャー」
「そうか。許してくれるのか。ありがとう、感謝する」
こいつ誰だ?
性格変わりすぎだろ。
「よし、とりあえず私の部屋に行こう」
「ミャー」
あれ? これってもしかしてミシェル様が戻ってくるまでずっとこのままなのか?
はぁ……勘弁してくれ。




