いつか、必ず、絶対に!!
ラファエラさんがようやく泣き止んだ。
彼女は私の四肢を拘束していた枷を外すと私をギュッと抱きしめた。
「ごめんなさい! 私、あなたにひどいことを」
「大丈夫ですよ。慣れてますから」
慣れたというか、慣れないと心身が壊れてしまうから無理やり慣れさせただけだが。
「本当? 怒ってない?」
「怒ってはいません。けど、色々と知りたいことがあるのでラファエラさんのことを教えてください」
「私のこと?」
「はい、そうです。例えば……私があなたにあなたも魔女なのかと質問した時、あなたはそれを否定しましたよね? 否定するということはあなたは魔女ではないのですか?」
「うん、そうだよ。私は……私たちは魔女じゃないよ。私たちは……」
彼女が最後まで言い終わる前にミシェル様は彼女を失神させた。
どこにも触れていないからおそらくそういう魔法を使ったのだろう。
「ミシェル様、どうして真実を隠そうとするんですか? 私に知られるとまずいことなのですか?」
「クーよ、お前はこの世界についてどう思う?」
「話を逸らさないでください」
「まあ、そう言うな。とにかくお前の意見を聞かせておくれ」
情報を意見で買えということか?
まあ、いい。とりあえず適当に答えておこう。
「分かりました。そうですね……まあ、そこそこいい方だと思います。私のようなキメラだったり、クレアのような人間だったり、マリーのような吸血鬼だったり、そのへんにいるモンスターだったり、あなたのような人の形をした災害だったり。とにかくたくさんの命が同じ星で暮らしている。まあ、それができている時点で奇跡みたいなものですね」
「ふむ。そうか。まあ、そうじゃな。ありがとう、なかなか面白い意見じゃったよ。じゃが、今のお前にこの世界の真実を話すわけにはいかぬ。その時が来るまではな」
「それはいつぐらいになりそうですか?」
「そうじゃのー、わしの死に際くらいになるかのー」
「それ、一生来ないのでは?」
「ん? あー、そうじゃな。はっはっはっはっは!」
こいつ、最初から教える気なかったな。
まあ、要するに私がお前を超えてお前を死に際まで追い込めばいい話だ。
その目標を達成するのに何年かかるか分からないが、いつか絶対達成してみせる。
いつか、必ず、絶対に!!




