表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
79/320

いつか、必ず、絶対に!!

 ラファエラさんがようやく泣き止んだ。

 彼女は私の四肢を拘束していたかせを外すと私をギュッと抱きしめた。


「ごめんなさい! 私、あなたにひどいことを」


「大丈夫ですよ。慣れてますから」


 慣れたというか、慣れないと心身が壊れてしまうから無理やり慣れさせただけだが。


「本当? 怒ってない?」


「怒ってはいません。けど、色々と知りたいことがあるのでラファエラさんのことを教えてください」


「私のこと?」


「はい、そうです。例えば……私があなたにあなたも魔女なのかと質問した時、あなたはそれを否定しましたよね? 否定するということはあなたは魔女ではないのですか?」


「うん、そうだよ。私は……私たちは魔女じゃないよ。私たちは……」


 彼女が最後まで言い終わる前にミシェル様は彼女を失神させた。

 どこにも触れていないからおそらくそういう魔法を使ったのだろう。


「ミシェル様、どうして真実を隠そうとするんですか? 私に知られるとまずいことなのですか?」


「クーよ、お前はこの世界についてどう思う?」


「話を逸らさないでください」


「まあ、そう言うな。とにかくお前の意見を聞かせておくれ」


 情報を意見で買えということか?

 まあ、いい。とりあえず適当に答えておこう。


「分かりました。そうですね……まあ、そこそこいい方だと思います。私のようなキメラだったり、クレアのような人間だったり、マリーのような吸血鬼だったり、そのへんにいるモンスターだったり、あなたのような人の形をした災害だったり。とにかくたくさんの命が同じ星で暮らしている。まあ、それができている時点で奇跡みたいなものですね」


「ふむ。そうか。まあ、そうじゃな。ありがとう、なかなか面白い意見じゃったよ。じゃが、今のお前にこの世界の真実を話すわけにはいかぬ。その時が来るまではな」


「それはいつぐらいになりそうですか?」


「そうじゃのー、わしの死に際くらいになるかのー」


「それ、一生来ないのでは?」


「ん? あー、そうじゃな。はっはっはっはっは!」


 こいつ、最初から教える気なかったな。

 まあ、要するに私がお前を超えてお前を死に際まで追い込めばいい話だ。

 その目標を達成するのに何年かかるか分からないが、いつか絶対達成してみせる。

 いつか、必ず、絶対に!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ