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吸血木の種

 ミシェル様の話に寄ると私の心臓に吸血木の種が植え付けられていたらしい。

 それは心臓が止まらない限り死なないように設定されている。

 そのことに気づいたミシェル様は数秒間、私の心臓を止めた。

 ということは、私は一度死んだということになるな。

 うーん、死んだという実感がこれっぽっちもないなー。

 というか、やつの枝が刺さった時にそんなものを植え付けられていたとはな。

 あいつ、バカそうだったけど結構優秀なんだな。

 まあ、もうこの世にいないけど。


「なるほど。そういうことでしたか」


「お前な……一応、わしはお前を一度殺したのじゃぞ? 普通のやつなら憎悪や殺意を剥き出しにしておるぞ?」


「私は普通のやつじゃありません。それに結果として私はこうして生きています。一度死んだという実感もないのにそんなもの微塵も湧いてきませんよ」


 こいつ、自分に興味がないのか?

 それとも自分のことが嫌いなのか?

 自己肯定感がないわけではないようじゃが。


「そうか。なら良い」


 ミシェル様(ロリ魔女)がそう言うと私の腹の虫が鳴いた。


「ほう、腹が減ったか。よし、わしが何か作ってやろう」


「結構です。自分の分は自分で作ります」


「クーよ。わしはやりたいことしかしないというのは知っておるよな?」


「あー、はい」


「そんなわしが他人の腹を満たすために料理をするのじゃぞ? その意味が分からぬほどお前はバカではないだろう?」


 えっと、まあ、そういうことならやらせておくか。


「分かりました。おとなしく待ってます」


「うむ、それで良い。さあて、何を作ろうかのー」

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