バカでかい剣
あの後、マリー(吸血鬼)がとことこやってきて私の耳元でこう囁いた。
「クレアさんが倒したはずの妖精がやってきて、クレアさんを攻撃しましたがクーちゃんのおかげでなんとかなりました」
そうか。まあ、なんとなくそんな気はしていた。
だが、どうやってその妖精を倒したのか私はこれっぽっちも覚えていない。
修行を始める前より強くなっているのは分かるが、それでもあの妖精を一人で倒せるとは思えない。
私は私の力で倒したのか?
うーん、やっぱり思い出せないな。
「そ、そうか。まあ、とにかくクレアが無事で良かった」
「そうですねー」
あまりのんびりしていると体が鈍ってしまうな。
よし、今日もクレア(不老不死モンスターハンター)と戦おう。
私は外に出てクレアに声をかけた。
「おーい、クレアー。私と戦ってくれー」
「え? あー、うん、別にいいけど。体はもういいの?」
「ああ、ただの魔力切れだったからな。というか、なんだ? そのバカでかい剣は。このへんにドラゴンはいないぞ?」
そのへんに生えている木と同じくらい大きな剣をクレアは木の枝を持っているかのようにブンブン振り回している。
「えっとね、不老不死でも痛覚はちゃんとあるし体も動かしてないと鈍るんだよ。だから、たまにこうして鍛えてるんだよ」
「そ、そうか」
お前のその怪力は元からなのか?
それとも不老不死になったからなのか?
うーん、分からん。
「まあ、あれだな。あんまりやりすぎるなよ」
「え? もしかしてクーちゃん、私のこと心配してくれてるの?」
「は、はぁ!? バカ! そんなことはない! 私はお前じゃなくてお前の体のことが心配なだけだ」
「へえ、そうなんだー。ふーん」
クレアは嬉しそうにニコニコ笑っている。
ちょ、あんまり勢いよく剣を振り回すな。
竜巻ができそうで怖いから。




