放心状態
修行が終わると、クレア(不老不死モンスターハンター)は私を自分の肩に乗せて家まで運んだ。私は米俵ではないのだが。
ん? どうして私はそんなことを知っているんだ?
うーん、よく分からないがまあ記憶については今はどうでもいい。
それより今は……この状況をなんとかしないといけないな。
クレアは家に到着すると私をベッドに押し倒した。
「クレア」
「なあに? クーちゃん」
「とりあえず汗を流そう」
「え? あ、あー、そうだね。汗流さないと気持ち悪いもんね」
クレアは水と大きめの桶を用意すると秒で全裸になった。
その後、彼女はボディタオルで体を洗い始めた。
「分かっているとは思うが、お前が使った水は捨てろよ?」
「え? 飲んでくれないの?」
「なぜ私がお前の皮脂まみれの水を飲まないといけないんだ?」
「あっ、ごめん。それは立場が逆じゃないとダメだね」
立場が逆だったらやるのか?
こいつ、もしかして今まで私が使った水を……。
ま、まさかな……。
「あれ? マリーちゃんいないね」
「ん? あー、そうだな」
おかしい。この時間は家のどこかで寝ているはずなのに。
まさか! 一人でどこかに!!
「クレア、急用ができた。褒美は今与える。目を閉じろ」
「え? え!? く、クーちゃん! まだ心の準備が!」
私は片手でクレアの両目を覆い隠すと彼女の頬にキスをした。
「じゃ、行ってくる」
「……あっ、うん……」
クレアは放心状態だったが、私はほとんどマリー(吸血鬼)のことしか考えていなかったため勢いよく家の扉を開けた。
マリー、いったいどこに行ってしまったんだ?




