褒美
朝がやってきた。
マリー(吸血鬼)は一晩中、私にサウザンドジャベリンを放っていたため朝になった瞬間、パタリと倒れてしまった。
お疲れ様。できれば今晩も付き合ってほしいが、まあ無理はするなよ。
私は彼女を家のベッドまで運ぶと褒美として頬にキスをした。
その様子をクレア(不老不死モンスターハンター)に見られていたせいでクレアはその日から拳に嫉妬の念を込めるようになった。
数日経ってもそれをやめなかったため私はある日、こう訊ねた。
「おい……おい、クレア。お前はなぜ怒っているんだ? おい、聞いているのか?」
「ふん!」
なぜ、そっぽを向くんだ?
私はマリーに褒美を与えただけだぞ?
「なあ、クレア」
「うるさーい! クーちゃんなんて知らない! 家出してやるー!」
「あっ! こら! 待て!!」
まだ今日のノルマを達成していない。
修行を始めてからまだ数日しか経っていないからまだ習慣化していない。
だから、今クレアに逃げられたら私は強くなれない。
「おい! とりあえず走るのをやめろ! 森の中で走ると転ぶぞ!」
「うるさい! クーちゃんなんて嫌いだー!」
ダメだ。私の言うことを全く聞いてくれない。
いったいどうすればいいんだ?
私はクレアの背を追いながらそんなことを考えていた。
「クレア! 今日の修行が終わったら褒美をやるぞ! だから、家出するのを……」
「本当に!?」
「え? あ、ああ」
クレアは目を輝かせながら私の目の前までやってきた。
な、なんだ? こいつ。急に機嫌が良くなったぞ。
「よおし、それじゃあ今日も頑張ろう!!」
「あ、ああ」
こいつの感情はコロコロ変わるんだな。覚えておこう。あー、あと主に私が絡むとそうなるということも付け加えておこう。




