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焼きナナギ

 クレア(不老不死モンスターハンター)は私より基礎ができているため動きにブレがない。

 しかし、不意打ちや死角からの攻撃に対応できないため周囲に気を配ったり油断せずに戦うということを覚えないとこれ以上成長しない。

 まあ、そこは私がなんとかするしかない。

 私はクレアから基礎を学び、クレアは私から状況に応じた戦い方を学ぶ。

 つまり、どちらも師匠であり弟子なのだ。


「はぁ……はぁ……はぁ……く、クーちゃん、今日はこれくらいにしない?」


「おっ、そうだな。そろそろマリーが元気になる頃だし、お前の体力も限界だし」


「わ、私はまだまだ大丈夫だよ!」


「嘘をつくな。フラフラじゃないか」


「あ、あははは、バレた?」


 バレるに決まっているだろう。

 動きにキレがなくなっているのだから。


「まあな。さぁ、早く家に帰るぞ」


「う、うん」


 かなり疲労が溜まっているようだな。

 仕方ない、今日は体を拭いてやろう。


「ただいまー」


「ただいま」


「あっ、おかえりなさい! 今日は焼きナナギですよー」


 マリー(吸血鬼)、お前料理できたんだな。

 えっと、今日は焼きナナギか……って、ナナギを焼いただけじゃないか。まあ、焼くのも立派な料理だよな、うん。

 というか、あのナナギなんで鮮度が落ちないんだ?

 それにいくら身を取っても次の日には再生している。まるで不老不死にでもなったのかのように。

 ん? たしかこれを釣り上げたのはクレアだったよな?


「そうか。ところでこのナナギはいったい何なんだ?」


「え? 何って、私が釣り上げたナナギだよ?」


「それは知っている。私が知りたいのは少し身を残しておくだけで次の日には再生するこいつの回復力についてだ」


「あー、それは私がこの子を釣り上げた時、地面に思い切り叩きつけちゃったせいで死にかけちゃったから私の血を少し分けたからだよ」


 は? ちょ、それってお前の血を飲んだら不老不死になるってことか?


「クレア」


「なあに? クーちゃん」


「お前はしばらく狩りをするな」


「えー! なんでー!?」


「お前の血をお前以外が飲むと不老不死になるからだ。というか、もう狩りをする必要はないな。あと、これは確認だがマリーのケガの治療に使おうとした薬草にお前の血を吸わせていないだろうな?」


「え? あ、あー、うん、多分」


「本当は?」


「木の枝が刺さって腕にケガをした時にその薬草を採ってたから多分その時に……」


 はぁ……ダメだ。こいつは私の目が届く範囲にいないと誰かに利用される。


「そうか。まあ、とりあえず晩ごはんを食べよう」


「そ、そうだねー」

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