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ミシェル様

 前言撤回。泣きたい。


「さぁ、クーちゃん。脱ぎ脱ぎしましょうねー」


「や、やめろ! こっちに来るな!」


「クーちゃん、暴れないでよー。そんなんじゃ、いつまで経っても手当てできないよー」


 クレア(不老不死モンスターハンター)はそう言っているが、彼女の体は……両手は触手のようにウネウネ動いている。


「家に戻ってくるまでのお前はどこに行ったんだ!」


「え? 何のこと?」


「ほ、ほら、弱ってる私に……そ、その……励ましの言葉を」


「あー、あれ? あんなの普通だよー。私、そんなに器用じゃないからその場の雰囲気で言っただけだよ。そんなことより、早く脱ぎ脱ぎしましょうねー」


「こ、断る! 今のお前は危険だ! マリー! なんとかしろ!」


「私は自分のしたいことしかできない悪い子です。なので自力でどうにかしてください」


 クソ! 役立たずめ!

 お前のような変態吸血鬼に少しでも期待した私がバカだった!

 クレアが私のベッドに辿り着くのも時間の問題だ。

 どうする? どうすればいい?


「クーちゃん、ほらバンザーイしてー」


「い、いやだああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」


 数時間後……。


「……う……うう……けがされた。こんなやつに私の初めてを……」


「クーちゃん、何言ってるの? 私はキズの手当てしかしてないよ? く、クーちゃんがそれ以上のことをしてほしいって思ってるのなら私は喜んで……」


「バカ! バカバカバカ! こっち来んな! うわあああああああああああああああああああああああああああああああああああああん!!」


「あちゃー、泣かせちゃった。どうしよう」


 この女に見られた。

 出会った時は別に気にならなかったが、今回は体の隅々まで見られた。

 恥ずかしい。こんなに恥ずかしい思いをしたことはない。

 ああ、誰か私を殺してくれ。


「おーい、クレアはおるかー?」


 私がそんなことを考えていると黒いとんがり帽子を被った小柄な魔女がやってきた。

 手に持っているほうきは彼女が指を鳴らすと彼女が被っているとんがり帽子の中に吸い込まれた。


「あっ、ミシェル様! お久しぶりです! 元気でしたか?」


「わしのことはどうでもいい。それよりそこで寝ている幼子おさなごについて知っていることを話してほしいのじゃが」


「え? クーちゃんのことですか? うーんとですねー」


「や、やめろ! クレア! これ以上、私に恥ずかしい思いをさせるな!」


「え? でも、別に悪い人じゃないし」


「悪い人じゃない? こいつがこの森のあちこちにゴーレムを配置したせいで私は妖精を探しづらくなったんだぞ! さぁ、早くここから出ていけ! 目障りだ!」


「そんなー、大袈裟だよー」


「クレアの言う通りじゃ。わしはこの森を守るためにゴーレムを配置しておる。いつ、何がこの森にやってくるか分からんからのー。それより、お前はいったいどうやって、わしのゴーレムを吸収したのじゃ?」


「お前なんかに教えることは何もない! 帰れ!」


「ふむ、そうか。では、お前の正体をクレアに教えてやろうかのー」


 こ、このロリババア! なんて卑怯な手を!


「え? 何? 何の話?」


「分かった! 話す! だから、クレアに余計なことを教えるな! お、お願いします」


「よろしい。では、クレアよ。しばらく外に出ておれ。そこの金髪の少女と共にな」


「え? あー、うん、分かった」


 クレアはそう言うとマリー(吸血鬼)と一緒に家の外に出た。


「……さてと、では話してもらおうか。お前のこれまでのことを」

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