スマートジャコウネコ
マリー(吸血鬼)が射程内に入った。
よし! 今だ!
私は彼女の吸血衝動……つまり食欲を性欲にするためにスマートジャコウネコに変身した。
「何ですか! その姿は! ネコなんかで私を倒せると思っているのですか!」
「倒す必要はない。なぜなら、お前が勝手に自滅してくれるからだ」
「なら、そうなる前に倒します!」
ふん、バカめ。
お前も似たような力を使えるはずなんだがなー。
まあ、いい。さっさと終わらせよう。
「なあ、マリー。お前、私のこと好きか?」
「はい、私は幼女の血を吸うのが大好きです!」
「違う、違う。そこらへんにいる幼女じゃなくて私個人のことだ」
「え? そりゃあもう、今すぐ襲いたいくらいですよー。あ、あれ? なんだか体が熱い……。力が、入らない」
彼女はそう言いながら、その場で膝をついた。
お前が今考えていることを当ててやろう。
どうして息が荒くなっているのか。
どうして急に体が火照ってしまったのか。
どうして力が抜けてしまったのか。
どうして私のことが愛おしくなってしまったのか。
「本当はあまり使いたくなかったんだが、あまり長引くとクレアが起きてしまうからな。さぁ、早くこっちに来い。楽にしてやるから」
「は、はいー」
ありがとう、フェロモン。
ありがとう、スマートジャコウネコ。
おかげで助かった。感謝する。
私は彼女の性欲が満たされるまで彼女をいじめ抜いた。
まあ、いろんなところを愛撫したり、たまに抱きしめたりしていただけなんだがな。
その後、私はクレア(不老不死モンスターハンター)が寝ているベッドまで彼女を運んだ。
こいつはクレアに自分の正体を知られたくないから普段はおとなしくしている。
ということでクレア、あとは頼んだぞ。
私は二人に何も言わずに家を飛び出した。
お前たちは私に関わらない方がいい。
だって、私は……この世から妖精を根絶やしにしようとしている危険な存在なのだから……。




