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欲しい!!

 深夜。

 私が家の屋根の上で月を眺めているとマリー(吸血鬼)がやってきた。


「クーちゃん」


「なんだ? 嘘つき吸血鬼」


「そんな言い方しないでくださいよー。というか、あなたも嘘つきですよね?」


「私のはいい嘘だからいいんだよ」


 こいつ、いったい何をしに来たんだ?

 まさかクレア(不老不死モンスターハンター)の血をもう吸ったのか?


「そうですか。あっ、それと私は気に入った人の血しか吸いません」


「そうか」


「はい」


 こいつ、私の心を読んだのか?

 いや、違うな。私の顔に書いてあったものを読んだだけだ。

 はぁ……どうもクレアが関わると調子が狂うな。


「で? お前は何をしに来たんだ?」


 彼女は私の耳元でこう囁く。


「それはもちろん……あなたの血を吸いにですよ」


 その直後、私のオートカウンターが発動した。

 私の黒い長髪が彼女の頬をビンタしたのだ。


「お前は人の血じゃないと満足できないのか?」


「違います。私は成長中の女の子、つまりあなたのような幼女の血しか吸わないのです」


「さっき気に入ったやつの血しか吸わないって言ってたよな?」


「ですから、それがあなたのような幼女なのですよ。しかもあなたは不老不死のキメラさんなのでしょう? なら、いくら血を吸ってもいいですよね?」


 いけない。彼女のあのあかひとみ、明らかに吸血衝動に支配されている。

 息が荒いし、頬が赤い。あーあー、背中から翼が出てきた。あれはコウモリの翼だ。

 しかも今は深夜。昼間、普通に歩いてここまで来ていたから、おそらく太陽の光は弱点ではない。

 最悪だ。なぜこんなことに……。


「クーちゃん、早く私のものになってください。さぁ! さぁ!」


「断る! 私は誰のものにもならない! 私の血を吸いたいなら私を倒してみせろ!」


「クーちゃんは照れ屋さんなのですね。本当は私に血を吸われたいくせに」


 なぜそう思う? こいつは危険だ。

 早めに処理しておこう。


「そんなことはこれっぽっちも考えていない! それはお前の頭の中にいる私だ!」


「ああ! 怒っているクーちゃんかわいい! あなたの頭を撫でながら血を吸いたい! 欲しい! クーちゃんの血が欲しい! 欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい!!」


 ダメだ。完全に頭がおかしくなっている。

 話し合いで解決することはできない。


「さぁ、クーちゃん。こっちにおいでー!!」


「断る!!」


 私は彼女が私の射程に飛び込んでくるまでその場でじっと待つことにした。

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