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トール
次の日、やつは雷と共に現れた。
やつは粉砕するものを肩に乗せた状態でこちらにやってくる。
ミシェル様の家の外で待機していた私は一言やつにこう言った。
「何しに来た? トール」
「この世界で一番強いやつと戦うために来た」
「一番か……。残念ながら私はそれに該当しない。今すぐ帰れ」
「俺に命令するな!!」
ほう、少し怒鳴っただけで森にいるモンスターたちを失神またはその場から動けなくしたか。
「私のような小娘と戦っている暇があったら火山を凍らせたコキュートスをどうにかしろ」
「あんなものいつでも対処できる。それより今すぐ俺と戦え!!」
「嫌だと言ったら?」
「この森を消し飛ばす!!」
「そうか。なら、仕方ないな。バイデント」
「はい!」
「槍になれ」
「はい!!」
よし、前より手に馴染んでいるな。これならいけそうだ。
「いつでもいいぞ。あー、私よりヨルムンガンドの方が良かったかな?」
「殺す!!」




