表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
25/320

金髪美幼女

 私がクレア(モンスターハンター)と一緒に朝ごはんを食べていると誰かがやってきた。

 おかしいな。この家に結界が……あっ、敵意や殺意がないと普通に認識できるんだったな。

 弱々しく扉を叩いているその人物は扉の前でパタリと倒れた。


「クレア、お前はそこでパンでもかじってろ」


「え? あー、うん」


 私は扉の前まで向かうとゆっくり扉を開けた。

 私は目線を下げながら、その人物が何者なのかを特定した。


「金色の長髪……身長は私と同じくらい……服は白いドレス……くつは履いていない」


「……たす……けて」


 他人に助けを求めるな。

 人は一人で勝手に助かるものなのだから。

 まあ、おさない女の子にそんなことを言っても納得しないだろう。


「はぁ……はいはい」


 私は彼女を家の中にあるベッドまで運んだ。

 クレアはなぜかパンをのどに詰まらせていた。


「き、金髪美幼女だあああああああああああああ! うわあ、どうしよ! どうしよ! まだ心の準備ができてないよー!」


「クレア、お前はいったい何を言っているんだ? 早くこっちに来て、この子の手当てをしろ」


「あっ、うん! 分かった!」


 この女のかわいいもの好きはどうにかならないのか?

 まあ、どうにもならないだろうな。

 私とクレアはその女の子の手当てをした。

 まあ、ひざりむいていた程度だったのだがな。

 しばらくすると、その女の子は目を覚ました。


「……ここ、は……」


「おっ、起きたか。体の調子はどうだ?」


「え? あー、はい、特にどこも痛くないです」


「そうか。それは良かった」


 彼女は上体を起こすと私にこうたずねた。


「あの、ここはいったいどこですか?」


「ここか? ここはクレアという女が所有している家だ。そして私はクーだ。お前の名前は?」


 彼女は少し困った顔をした。

 名前を……いや実名を言いづらい立場なのだろう。


「すまない。無理に名乗る必要はないんだ。そうだな、とりあえずマリーと呼ぶことにしよう」


「あっ、はい、そうしてもらえると助かります」


 しかしまあ、あれだな。

 ずっと何かにおびえているな。

 口調が丁寧なのは元からなのか、それとも誰かにそうするよう言われたからなのか。

 まあ、いい。どちらにせよ、私には関係ない。


「まあ、とりあえずかくまってやるから出ていきたい時は一言言ってくれ」


「あっ、はい、ありがとうございます。クーさん」


「クーちゃんでいい。さん付けはあまり好きじゃない」


「わ、分かりました。え、えっと……く、クーちゃん」


「うむ、それでいい。まあ、ゆっくりしていけ。ただし、クレアはかわいいものを見ると暴走するから気をつけるんだぞ」


「え? あー、はい」


 そんなわけでマリーはしばらくの間、ここに住むことになった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ