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魔獣愛の強い俺が、魔獣たちと仲良くしてたら魔王と呼ばれるようになりました。ちょっと待って! 俺、ただの底辺テイマーなんだけど!!!  作者: 三原みぱぱ
第二章 二人の戦いの幕開け

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第99話 底辺テイマーは裏道の店に行く

 そんなサリュリたちと一緒に武道会に出ることになった。

 王都についた俺は、人の多さに驚きながら、武道会の出場手続きを行うとスケジュールを教えてくれた。

 明日から四日間行われ、初日は予選で有象無象の参加者をふるいにかけ、二日間で二人まで絞り込み、最終日に決勝戦を行う。

 武道会のせいなのか、宿はどこも一杯だったが、サリュリとその師匠が各々部屋を取っていたため、俺たちはそこに相部屋させてもらった。そのお礼に、食事をおごることになった。


「ここ、この店だ。王都に来たらここに来なくちゃ意味が無い」


 有名店の多い大通りから遠く離れた裏通り。

 怪しげな大人の店が立ち並ぶ一角にその店はあった。

 いつから建っているのか分からないその店の薄汚れたドアを開けると、品のない笑い声が響き渡る。

 客は常連客ばかりなのだろう、見知らぬ俺たちを見て、一瞬静寂が訪れる。


「おいおい、ここはデートで使うような店じゃないぞ、がははは」


 客の一人が、俺たちを見てからかい始める。

 こういう店の客は退屈な日常に飽きて、刺激を求めている。どう答えても、絡んでくるために話しかけているのだから、無視するに限る。

 そんなの俺の気持ちを無視して師匠とハットンが客に答えた。


「こちらの二人は恋人同士かもしれないが、ワシたちはどう見ても、違うだろうが」

「あら、あなた、良いこと言うわね。ダーリンとあたしが恋人同士なんて」

「何だ、この青っチョロいのが姉ちゃんの彼氏か? こんな奴止めて、俺と付き合いなよ」


 赤ら顔の禿げた大男は酒瓶を手に立ち上がると、俺たちに近づいてきた。

 だから無視しておけば良いのにと思いながら、俺は空いている席に座った。


「面倒だから、殺すなよ。ハットン」


 俺が声をかけるよりも先に、男は壁まで吹き飛ばされた。

 その姿を見て、野次馬根性で見ていた他の客は、俺たちを見ないようにして、自分たちの仲間と話し始めたのだった。

 俺の隣に座ったハットンに、サリュリが興味深そうにK話しかけてくる。


「ハットンさん、お強いんですね」

「強いって言われても嬉しくないわよ。それにダーリンの方がよっぽど強いし」


 ハットンは興味なさそうに受け流すと、酒と料理を注文し始めた。

 それを見た師匠はこの店のおすすめを説明し始めた。酒は安いが味はたいしたことは無い。しかし、串焼きが絶品で、特にそのタレは長年付けたしてきて、まろやかで深みのある味だとか。

 サリュリたちは俺のおごりにも関わらず、遠慮することなくどんどん料理を頼み、酒を飲んだ。


「ところで、二人は冒険者と聞いてましたが、本当ですか? 先ほどのパンチなんて力を入れているように見えなかったです。どうやったんですか?」

「そりゃ、力を抜いて殴っただけだもの」

「どうして、力を抜いてあれだけの威力が出せるの?」


 ほどよくアルコールが回ってきたサリュリは、先ほど客を吹き飛ばしたハットンのパンチの秘密を知りたがった。気になった技や術に対して、貪欲に身につけようとするのは武芸者として武を極めようとする自然なことだろう。しかし魔獣であるハットンにとって、自分で言ったように相手を殺さないように力を抜いて打っただけだった。


「今度、手合わせお願いしてもいいですか?」

「いやよ、あたしは戦いが好きなわけじゃないのよ。それにどうせ明日からの武道会のどこかで当たるでしょう。あなたの実力なら」

「その言い方だと、あなたたちは武道会のことを知っているようね」

「そうだ! 明日の予選って何をするんだ?」


 一応、俺も参加をしたが、どうせハットンが優勝するものと思い、詳しく聞いていなかった。

 万が一、ハットンが優勝しなくてもいい。

 ハットンに勝てるような相手なら、仲間になったもらう。

 そして、俺が参加した理由はハットンの細胞と混ざったこの右腕の使い方を試すためだった。

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