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魔獣愛の強い俺が、魔獣たちと仲良くしてたら魔王と呼ばれるようになりました。ちょっと待って! 俺、ただの底辺テイマーなんだけど!!!  作者: 三原みぱぱ
第二章 二人の戦いの幕開け

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第91話 底辺テイマーは遠信を使う

 盛大に跳ねる音とともに、俺の周りは水に包まれる。

 しかし、元々ハットンの中にいる俺には、水の冷たさも恐怖も感じなかった。

 透明のハットンの中から見ていると、濡れ猫のタマモが猫掻きで必死に水面を目指していた。

 そして、エモノを横取りされたジャカツは、諦めず俺たちに向かってくる。

 大蛇であるジャカツは、するする近づいて来ると牙を剥いた。


「やらせはせんよ」


 ワタリガがその盾でジャカツの牙を受け止めると、ジャカツも負けじとその長い身体でワタリガに巻き付き、締め付ける。


「どくじゃろう。お前の相手をしている暇はないじゃろう」

「水中で、ワシの相手になると思っているのか? 婿殿、ここはワシに任せて逃げろ」

「それじゃあ、ここは任せたわね。いくわよ、ダーリン」


 俺の意見を聞く前に、ハットンは身体を伸縮させながら水の中を移動し始めた。

 どのくらい水中を移動しただろか。かなり長い時間だということしか分からないが、ガルダの追跡を逃れたと判断したハットンは、地上に上がると、俺だけを体外に放出する。


「とりあえず、ここまで来れば大丈夫でしょう」

「ありがとう、でもワタリガは大丈夫だろうか?」

「大丈夫よ。言ったでしょう、アレでも水辺の王。水のあるところなら、わたし以外に簡単にやられるなんてことはないわよ。それより、問題なのは、こっちよ。ジャカツの毒は魔獣を殺すわよ。このままだと確実に弱って、早ければ2、3日で死んでしまうわよ」


 ハットンの中で、息絶え絶えのシェリルを見ていた俺も、ハットンの言葉が正しいと分かる。これまで、こんな弱々しいシェリルを初めて見た。初めて会った時も弱っていたが、あのときは身体が弱っていたと言うよりも心が弱っていただけだと、今なら分かる。

 そして、水中を逃げている間、シェリルを救う方法を考えていた。

 俺の足りない頭で必死に考えて、ひとつの可能性を引っ張り出していた。

 俺は大事にバッグの奥に入れていた遠信を取り出し、ランリーに状況を説明する。


「バカタレ! なんで、魔獣と戦った! 今すぐ、シェリルを連れてこい! 一分一秒でも早く! 今、どこに居るんだ? そこから一番近い転送陣を教えてやる」


 遠信から伝えられるランリーの指示に従って移動すると、一時間もしないうちに俺たちはドワーフの里に着いたのだった。

 転送後、ランリーは他のドワーフとともに待機しており、あっという間にシェリルを連れて行ってしまった。


「あんた達二人は、部屋で休んでいてくれ」


 ランリーはそう言うと、シェリルの処置に向かったのだった。

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