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魔獣愛の強い俺が、魔獣たちと仲良くしてたら魔王と呼ばれるようになりました。ちょっと待って! 俺、ただの底辺テイマーなんだけど!!!  作者: 三原みぱぱ
第二章 二人の戦いの幕開け

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第82話 底辺テイマーとワタリガとの戦いの終わり

 その世界は真っ白だった。

 目に映るものは巨大な蟹の魔獣ワタリガ。燃えるような真っ赤な甲羅にオークよりも大きなハサミ。

 ワタリガに対峙するシェリルの背中が見える。人の姿の背中は小さく見えるのは、もう力が残って否からだろうか。

 ワタリガはそのハサミでシェリルの胴を掴んだ。

 助けなければ!

 俺は左腕の大砲を構える。ワタリガとてこの大砲を盾無しで受ければ、ただでは済まないはずだ。

 発射!

 爆音とともに左腕は吹き飛び、体中に激痛が走り、地面に倒れ込んだ。

 キャー!

 悲鳴の先に、ワタリガのハサミでシェリル身体は潰されて、悲鳴とともに血を吐いていた。

 シェリル!!

 俺は這うように、シェリルに近寄る。

 急に暗くなり、上を見るとワタリガのハサミが振り下ろされていた。

 シェリル。一緒にいこう。


~*~*~


「マックス!」


 俺が跳ねるように起き上がると、そこには銀髪の美しい女性がいた。


「シェリル」

「なに?」

「シェリル」

「え!?」


 俺は体中の痛みを忘れて、思わずシェリルに抱きついた。暖かい、柔らかい。抱きしめると、優しく抱きしめ返してくれる。生きている。シェリルが生きていた。自分が泣いているのが分かる。シェリルが生きていてくれて、嬉しくて、ほっとして、涙が止まらない。


「大丈夫か?」


 抱き合う俺たちに声をかけてきたのは、真っ赤な鎧を着けた壮年の男性だった。堅苦しさが顔に出ているような男が心配そうな顔をしていた。


「あなたは?」

「ああ、この姿で会うのは初めてか。ワシはワタリガだ」

「ワタリガ……ああ!」


 俺は反射的にシェリルを後ろにかばうと、左腕を構えた。

 左腕はちゃんと付いていた。しかし、その腕をシェリルがそっと押さえた。


「待って、ワタリガは、もう戦う気は無いみたいなのよ」

「どういうことだ?」

「それは……」

「それはワシから話をさせてくれ。まずは、お礼を言わせてくれ。最後の一撃を外してくれてありがとう。おかげでカサミは無事だった」


 そう言って、ワタリガは深々と俺に頭を下げた。

 そして、その後ろに隠れている子蟹がお礼を言った。


「お兄ちゃん、パパを助けてくれてありがとう」


 ん、カサミ? どこかで聞いたことがあるような?

 子蟹、パパ、カサミ。

 あ! 魔柿猿にいじめられていた子蟹か。え! そうすると……


「カサミのパパって、ワタリガのことか?」

「そういうことなのよ。この堅物が子供を作ってるなんて、思ってもみなかったのよ」


 俺の背中から抱きついたまま、驚いたように教えてくれた。

 シェリルは、ワタリガが蟹の魔獣と言うことは知っていたのだろうが、シェリルがダンジョンで封印される前には子供もいなかったため、カサミがワタリガとつながらなかったのだろう。

 しかし、あの時、カサミを食べようとしたシェリルを止めて、良かったとほっとする。


「俺たちが、カサミを助けていたから、戦うのを止めたのか?」

「それもあるが、あの時、カサミが間に入らなければ、ワシといえども無傷では済まなかっただろう。そしてその隙をこやつが見逃すはずが無い。つまり、ワシは負けたんだよ」


 確かに、あのタイミングでは、最後の一撃が入っていたはずだ。

 それをワタリガは、素直に認めてくれたのか。

 とりあえず、戦いは終わった。しかし、それで全てが終わったわけでは無い。ワタリガは私怨で動いている訳では無く。あくまで、魔獣協会の決定に基づいて動いていたはずだ。これから、どうするつもりなのだろうか?


「それで、戦いを止めて、これからどうするんだ?」

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