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魔獣愛の強い俺が、魔獣たちと仲良くしてたら魔王と呼ばれるようになりました。ちょっと待って! 俺、ただの底辺テイマーなんだけど!!!  作者: 三原みぱぱ
第二章 二人の戦いの幕開け

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第81話 底辺テイマーは気を失う

 シェリルがワタリガの巨大なハサミにとりついたのだ。

 蟹のハサミは挟む力は強いが、開く力はそれほどでもない。上からハサミを押さえつけるように取りついたシェリルに対して、ワタリガは背中方向の地面にたたきつけるしかないのだが、そうするとワタリガはひっくり返ってしまうだろう。たたきつける瞬間に逃げられてしまえば、無防備な腹をさらしてしまう。

 対して、シェリルにはもう体力が残っていないようだった。ワタリガの爪にとりつき、攻撃を防ぐことが精いっぱいのようだった。それも仕方ないことだ。幾度となくワタリガの爪で身を切り、水大砲のダメージも抜け切れていない上に、盾により打撃を受けた足も赤くなっている。

 どちらも動けない膠着状態。

 つまり、ここで勝敗を分けるのは俺と言う存在だ。

 左腕の大砲の弾数を確認する。

 何とかあと一発は撃てるだろう。

 それを撃った後、俺の体がどうなるかはわからない。しかし、ここで撃たないと、俺もシェリルもここで死んでしまう。

 俺は、確実に当たる距離まで、這って移動する。


「マックス、何をする気!? そんな身体で、アレを撃つなんてダメ!」

「大丈夫だ、シェリル。俺を信じろ。俺が死んでも、お前だけは守る」


 俺は、上半身だけ起こし、左腕をワタリガの胸ど真ん中に構える。奴の甲羅が硬くても、あの盾よりは柔らかいだろう。


「このワシが、人間ごときにやられるというのか」


 先ほど、俺の左腕の威力を体験したワタリガは、この一撃がどういう物かよく理解しているようだった。

 俺はすでに感覚の無い左腕を右手で支えると言った。


「悪いな。これは俺の力じゃないんだ。ドワーフの力だ」

「あの他種族嫌いのドワーフか。その力を借りられたのは、紛れもなくお主の力だ。この一撃を誇っていいぞ。そして魔獣クラブジラの長ワタリガを倒したことを」


 ワタリガは諦めたようにそう言った。

 俺は大きく息を吸い込むと、この戦いの決着をつけるべく、左腕の大砲を放とうとしたまさにその瞬間だった。

 俺とワタリガの間に美しいピンク色の子蟹が現れた。

 

「パパを殺さないで!」


 すでに大砲は放たれる直前で、止めることは不可能だった。

 このままでは、子蟹ごと打ち抜いてしまう。

 駄目だ。

 俺は左腕を思いっきり上に向けると、仰向けのまま空高く大砲は放たれ、その反動で俺は地面に押し付けられた。

 渾身の一撃だった。

 もう、指一本動かせない。

 青い空を見ながら、俺は気を失ったのだった。

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