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魔獣愛の強い俺が、魔獣たちと仲良くしてたら魔王と呼ばれるようになりました。ちょっと待って! 俺、ただの底辺テイマーなんだけど!!!  作者: 三原みぱぱ
第二章 二人の戦いの幕開け

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第79話 底辺テイマーは失敗する

 俺の言葉にシェリルは、大きく後ろに飛んで、ワタリガと対峙する。

 先ほどのワタリガの突進を見て、分かっていた。

 スピードはシェリルの方が圧倒的に速い。

 重防備騎士は本来、チームの前線に立ち、敵の攻撃を受ける役割を持つ。そしてその防御でできた隙を他の戦士や魔法使いが攻撃をする。敵に回せばやっかいで、仲間にすれば心強い。しかし、その装備のため、動きが遅く、そこは他の軽戦士達が補う。

 しかし、ワタリガは一人だ。

 ならば打つ手はひとつ。


「シェリル、逃げろ! お前のスピードなら逃げ切れるだろう」

「でも、マックス……」

「俺のことは大丈夫だ。奴の狙いはお前だろう。あとで合流する」


 シェリルが躊躇ちゅうちょしていると、ワタリガが動いた。

 左手の盾を構えたまま、右手のハサミをシェリルに向けた。


「死ね!!!」


 タコと比べものにならないほどの威力の水鉄砲、いや水大砲が放たれた。


「危ない!」


 俺は思わず叫んだ。

 水大砲はまっすぐにシェリルに向かった。

 それをシェリルは横っ飛び、ギリギリで躱した。水大砲は海で待機していた船を破壊して、遠い港町まで届いた。どのくらいの被害が出たのかここからは分からないが、あの距離を飛ぶ程の威力。シェリルに直撃したらと思うとぞっとする。

 しかし、躱したと言うことはシェリルは、ワタリガの水大砲を知っていたのだろうか。だからワタリガに背を向けて逃げることに躊躇したのだろう。

 俺のアドバイスが、シェリルを殺すことになったかもしれないと思うとぞっとする。


「大丈夫か! シェリル」

「だ、大丈夫」


 しかし、その言葉とは裏腹に、シェリルはふらついていた。直撃は避けたが、かすってしまったのだろう。それまで、スピードで翻弄しながらも、徐々にダメージを受けていたシェリルが、そのスピードを失ってしまった。

 そんなシェリルを見逃さず、ワタリガが間合いを詰める。

 先ほどの水大砲では無く、確実に仕留めるつもりだ。

 盾を構えて、その重量を使って身体ごとぶつかって行く。


「避けろ!」


 俺の言葉に反応したのか、なんとかジャンプした。


「ぎゃっ!」


 盾がシェリルの後ろ足に当たり、砂浜にうずくまった。

 まずい。流石のシェリルも次の攻撃は避けられないことは明らかだ。

 それでも、ワタリガは慎重に盾を構える。

 勝ちを確信したときほど、一番危険だと言うことが分かっているかのように。

 盾を構えたまま、シェリルの様子をじっと観察している。

 そして、その姿が演技でないとみると、注意深くその爪を振り上げた。

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