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魔獣愛の強い俺が、魔獣たちと仲良くしてたら魔王と呼ばれるようになりました。ちょっと待って! 俺、ただの底辺テイマーなんだけど!!!  作者: 三原みぱぱ
第二章 二人の戦いの幕開け

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第70話 底辺テイマーは船に乗る

「大丈夫?」


 シェリルが俺を心配そうな顔で見ていた。

 身体に怪我無く、左手の試運転も行われたから、結果的には良かったのだろう。これなら気軽に使えるし、テイムするときにも使えるだろう。俺はシェリルを安心させるように言った。


「大丈夫だ。起こしてしまって、ごめんな」


 そう言って、シェリルと一緒に部屋に戻ると、寝ているはずのハットンが窓から部屋に入ろうとしていた。


「ハットン、どこに行ってたんだ?」

「ちょっと夜食をね。今日はもう静かな夜になるはずだから、ゆっくり寝ましょう」


 そう言って、俺の手を取ってベッドに潜りこんだ。何も言わずにシェリルも、俺の隣に眠り始めたので、俺も寝ることにしたのだった。


~*~*~


「やあ、マックス。いいところに来たね。明日には船が完成するよ。これで、あの海の悪魔も海の藻屑にしてやれるよ」


 次の日の夕方、俺達は領主の歓迎を受けていた。

 山のような料理の数々は、海の幸以外にも山の幸も準備されていた。

 俺が飲んだこともないような高級な酒も準備されていた。


「あなたたちがこの街を出て行ってから、昼も夜もなく街を挙げて船を完成させたんだよ。ところで、その間、どんな土産話を仕入れてきてくれたのかい」


 俺は酒の力も借りて、話してはまずいドワーフの里のことはぼやかして、これまでの旅路の話をした。


「そうか、魔獣の戦いに巻き込まれたのか。よく生き残れたな。運が良いのか悪いのか」


 草原の街が壊滅したのは、急に現れた魔獣達の戦いのせいだと説明をした。

 勇者に誤解された話、温泉に生まれて初めて入った話などを色々なことを上手くごまかしながら話をした。

 聞き上手なの領主のおかげで、話も弾み、酒もどんどん飲んでしまったらしく、いつの間にか俺は寝込んでしまっていた。


 そして、気が付くと俺達は船の中にいた。


「気が付きましたか、テイマー殿」


 目の前に潮風で焼けた浅黒い肌の男が、俺の顔をのぞき込んでいた。

 見覚えのない男はニヤリと笑っていた。


「ここはどこだ?」

「あんたが設計図を持ってきてくれた船の中だよ。無事に進水式も終わり、島に向かっているんだよ」

「眠っている間に進水式がおわったのか。失敗したな。いや、ちょっと待ってくれ。なんで俺が船に?」

「え!? 領主様がテイマー殿も今回の戦いに参加してくれると聞いているのだが?」


 俺が戦いに参加? 酔っ払った勢いでそんな事を言ったのだろうか?

 俺は助けを求めるようにシェリルとハットンの姿を探した。


「なあ、俺の仲間で女性が二人いなかったか?」

「ああ、それならまだ、領主邸にいるはずですよ。女性を戦闘に巻き込むわけにはいかないですからね」


 シェリルとハットンが、まだ領主邸にいるということは、二人は俺が船に乗せられている事に気が付いていないのだろう。

 俺は一人で、島に巣くう海のモンスターとの戦闘に参加させられているということか。

 底辺テイマーになんてことをさせる気なのだろうか。

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