第64話 底辺テイマーは舐められる
前回と同じように、全てが終わった後、俺は目覚めた。
どれくらい眠っていたのか分からなかったが、目を開けると、そこにはシェリルとハットンがいた。
「ランリー! マックスが目覚めたわよ」
俺が目を開けたのを確認したシェリルが、ランリーを呼ぶ声がすごく遠くに聞こえる。目の前にいるのに。
前回よりも、身体がだるい気がする。とりあえず、目を閉じてランリーが来るのを待つことにした。
しばらくするとランリーがやってきた。
「どうだい、気分は。まあ、最悪だろうな。今回、ちょっと手術に時間がかかってしまってね。三日ほど眠っていたんだよ。しばらくは身体がだるいだろうが、しばらくこの状態だ」
「なに? 痺れ薬を使ったの?」
「まあな。だが、命に別状はない。時間が経てば抜けていくよ」
「でもその間、ダーリンは動けないんでしょう。可哀想よね」
そう言うと、ハットンは俺の服を剥ぎ始めた。抵抗しようにも俺は身体に力が入らずに、素っ裸にされると、自身も素っ裸になった。その様子を見たランリーが文句の声を上げた。
「患者に何をするんだ。動けないことをいいことに。どっちにしろあっちも動かないぞ」
「何馬鹿な事を言ってるのよ。痺れ薬を吸い取るのよ」
ハットンはそう言うと、クラゲの姿に戻り、俺の身体を包み込んだ。
ひんやりとした感触が身体を覆うと、何やらぬるりとした物が入り込んできた。それは決して不快ではなく、俺はハットンに身を任せることにした。
しばらくすると、俺から離れたハットンは人型に戻り、微笑みながら尋ねた。
「これでどう? 全部吸い取れたと思うけど」
先ほどまでの身体のだるさが全く無くなり、頭もすっきりとしていた。俺はいつもの朝のように、身体を起こすと、大きく伸びをした。いつもよりも身体の調子がいいくらいだった。
「ありがとう、ハットン。すごく身体が軽いよ」
「どういたしまして、そこのきゃんきゃん吠えるだけの犬と違って、役に立つでしょう」
「お前達、魔獣はとんでもない能力を持ってるな。いや、とんでもない能力を持ってるから、魔獣と呼ばれるのか」
ニヤリとドヤ顔をするハットンに、反応したのはランリーだった。
しばらくは寝ているだろうと思っていた俺が、数分ですっきりと起き上がったのだからそんな反応を示してもしょうが無いだろう。
そんな、二人を横目にシェリルが俺の側に来ると、いきなりキスをした。
「おい、急に何をするんだ?」
「ぶう、バカ災厄がマックスの身体をなめ回したら、上書きするの」
そう言うと、俺の身体を隅々までなめ回し始めた。




