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魔獣愛の強い俺が、魔獣たちと仲良くしてたら魔王と呼ばれるようになりました。ちょっと待って! 俺、ただの底辺テイマーなんだけど!!!  作者: 三原みぱぱ
第二章 二人の戦いの幕開け

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第57話 底辺テイマーはタマモと友人になる

「あら、子猫ちゃんは食べられたいのかな?」


 シェリルも一歩も引かずに、いつでも攻撃できる態勢を取る。

 タマモも巨大な黒猫の姿に戻ると牙をむき、爪を出してした。


「お婆ちゃんの歯で、あたいの肌が傷つくとでも思っているのかにゃう」


 一触即発。

 相手も魔獣であれば、いくらシェリルでも、ただでは済まないであろう。

 俺は、タマモの前に立ちはだかった。


「お互い、ここにはゆっくりと温泉に入りに来たのだろう。争うのを止めないか?」

「何だ? 人間、あたいの邪魔をするつもりかにゃう?」


 タマモがぎろりと俺を睨んで来た。

 シェリルとハットンで魔獣には慣れたと思っていたが、敵意丸出しの魔獣に睨まれて、俺は膝から崩れそうになる。


「タマモ、ダーリンに手出し無用って言ったわよね。それに、暴食の相手はワタリガがするって決まったでしょう。あんた、アノ堅物の獲物を横取りするつもり? 後でどうなっても知らないわよ」

「ワタリガ? そうだったにゃう。あたいは、あのおっちゃん苦手にゃ」


 そう言うと、タマモは猫獣人の姿になり、またぷかぷかと温泉に浮かび始めた。


「いつ入っても、ここの温泉は気持ちいいにゃう」

「そうね。あなた、ここを知ってたなら、なんであたしに教えてくれないのよ」

「姉さんに教えたら、残さずお湯を吸い上げちゃうにゃう」


 先ほどまでの殺伐した空気が一転して、タマモとハットンが世間話をし始めた。

 その空気を察したように、シェリルも人間の姿に戻り、俺を背中から抱きしめた。


「ありがとう、マックス。でも流石に魔獣同士の戦いに入ってきちゃダメよ」

「……今後、気をつけます」


 そうして、いつの間にかいなくなったグリフィスを除いて、魔獣三人と共に、温泉に入ることになった。

 しかし、グリフィスか~テイムさせて貰えそうだったんだけどな。もったいないことをした。

 良し、こんな時は、酒を飲んで忘れよう。

 俺は、服を置いていた場所に戻ると、酒とつまみを持ってきた。ドワーフの街で貰っておいた、度の強い酒をちびちび飲みながら、塩干しした魚を喰らう。

 当然のようにシェリルも酒を飲み、ハットンが後から混ざってくる。

 そうすると、タマモがどうするのかと、気になったが、ハットンにくっついて当たり前のように混ざってきて、酒を飲む。

 当然その姿に、シェリルが文句を言う。


「あんた、敵でしょう。なんで混ざってるのよ」

「敵じゃないにゃう。まあ、まあ、いつまでも昔のことを引きずってちゃいけないにゃう」

「何が昔よ! ほんの数分前の事も忘れたの?」

「数分前も昔だにゃう。ワタリガみたいに堅いことは言わないにゃう。一緒に酒を飲んだんだから、もう、飲み友達だにゃう。もっとお酒を注ぐにゃう」


 タマモは酒ほしさに、喉を鳴らしながら俺にすり寄ってきた。それはご飯をねだる猫そのものだった。


「シェリルと喧嘩しないって約束してくれたら、酒もつまみもあげるぞ」

「もう、喧嘩しないにゃう。だからさっさと注ぐにゃう。この酒はうまいにゃう。どこで手に入れたんだにゃう?」

「美味いだろう。これはドワーフ秘伝の酒だからな」

「ドワーフかにゃう。兄さん、よくドワーフの酒なんか持ってるにゃう。どうやって手に入れたんだにゃう?」

「それは秘密だ。俺達に敵対しなければ、これからも分けてやるよ」

「分かったにゃう。兄さんの名前を教えて欲しいにゃう」

「マックスだ。あんたのことはタマモって呼んで良いか?」

「いいにゃう。これからよろしくにゃう」

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