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魔獣愛の強い俺が、魔獣たちと仲良くしてたら魔王と呼ばれるようになりました。ちょっと待って! 俺、ただの底辺テイマーなんだけど!!!  作者: 三原みぱぱ
第二章 二人の戦いの幕開け

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第44話 底辺テイマーは同郷の兵士に会う

「それで、これからどこに行くの?」


 とりあえず、二人の喧嘩で壊滅した街を逃げ出したのだけで、目的地があるわけではなかった。

 しかし、旅をする目的はあった。ドワーフの街で売るための食料品を仕入れしなければならない。幸いなことに、先ほどの街で宝石類は換金して、資金は潤沢にある。農業や畜産が盛んな街へ行きたいとハットンに相談すると、彼女は少し考えた後、ここから半日ほど行った所に街があると教えてくれた。


「シェリルはともかく、ダーリンは良く、ドワーフたちに認められたわね。あいつら気に入らないと、あたしたちにさえ刃向かってくるのに」

「たまたま、ドワーフの死体を発見して、遺品を持っていたのと、シェリルがいてくれたおかげで、俺は何もしてないんだけどな」


 馬車を走らせながら、俺はドワーフの街へ行く間に起こったことを説明した。

 この、左腕の義手とシェリルとどちらかがかけていたら、俺は門前払いを受けていただろう。そうなると、シェリルは怒り狂って、暴れたかもしれない。実際、ランリーが来るのが遅れていたらあの門番の命を落としていただろう。そうすれば、いくらランリーの口添えでも、ただではすまなかっただろう。あのときにはドワーフ達の文明があんなに進んでいるなんて知らなかったから、今思えば、ぞっとする。

 そんなことを考えながら草原の道を進んでいると、前から軍隊らしき一団がこちらに近づいてきた。

 騎馬兵を先頭に、歩兵が続いていた。その数はおそらく百名程度で軍隊としては少人数ではある。

 俺たちは道を外れて、軍隊に道を譲った。

 軍隊が通り過ぎる間、シェリルもハットンも興味なさそうに馬車の中でのんびりとしていた。二人にとって百人程度の人間など何の脅威にもならないだろう。しかし、俺にとってはたった一人でも十分な脅威だ。静かに通り過ぎてくれることを祈りながら見送っていた。


「あれ? マックスじゃないか」


 歩兵の最後の方が俺たちの前を通り過ぎて、ほっとししていると、急に呼びかけられた。

 その男は兜を外して、顔を見せながら、懐かしそうに声をかけてきた。その男は、俺と同郷で騎士になると言って王都に行った男だった。


「おまえ、冒険者になるって言ってたんじゃないか? なんでこんな所にいるんだ?」

「俺は冒険者になったよ。テイマーをやってるんだ」

「テイマーか。それで何のモンスターをテイムしてるんだ?」

「……何も」

「何も!? モンスターをテイムしていないテイマー? あ、ああ、そうか。そうだな。うん、わかった。じゃあ、もう行くな」


 兵士になった同郷の男はそう言って、そそくさと去って行った。

 そんな後ろ姿を俺は黙って見送るしかなかった。何も言わずに去って行ったのは彼なりに俺に気を遣ったのだろう。モンスターをテイムしていないテイマーに冒険者として何の価値があるのだろうか。ソナーバットを失った俺に対して、パーティの皆が冷たく当たったことからも分かっていた。それに対して、変に気を使われてしまい、それが逆に心にずっしりきた。


「大丈夫? マックス」


 軍隊が去った先をじっと見ていた俺にシェリルは心配そうに声をかけてきた。


「ああ、大丈夫だ。先を急ごう」

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