第43話 底辺テイマーはハットンを仲間にする
ハットンが幹部の一人?
「だったら、シェリルの抹殺命令を取り消すように言ってくれないか?」
「え! 嫌よ。面倒くさい。あたしがそんなことしたらジャカツの奴が、ねちっこくあることないこと聞いてきて、あたしがシェリルと仲間だと勘違いされるじゃない」
「え!? ハットンってシェリルの友達じゃないのか?」
「え!?」
「え!?」
俺の言葉に、シェリルとハットンが同時に驚きの声を声を上げた。
そしてふたりは同じ顔をして俺を見ると、ふたりは顔を見合わせると、同時に笑い声を上げた。
俺はその姿を見てほっこりと、やはりこのふたりは仲が良いんだとホッとしたところで、ふたりは同時に笑うのを止めた。
「無い!」
「絶対、無い!」
「こんな暴食と友達と言われるくらいなら、ジャカツと恋人同士って言われた方がまだマシよ。あ、たとえ話だからね。あたしにあなた以外の恋人なんていないから、安心してね」
そう言って、ハットンはその涼しげな瞳でウィンクした。
それをシェリルが邪魔をするようにぐいと俺の前に出た。
「マックス、あなたはなんでこんな捉えどころの無い、食べるところもないクラゲをワタシの友達だと思ったのよ。ワタシだって、えり好みするわよ」
シェリルはその可愛らしい頬をぷくりと膨らませた。
その、妙に息が合った感じでお互いを友人でないと言ってる姿を見て、似たもの同士じゃないかと、改めて思ってしまう。そして、こういう、なんの気兼ねもなく、自分の思っていることをぶつけ合える人を友人と言わずしてなんて言うのだろうか。
俺が素直にそんなことを言っても二人はますます反発するだけだろう。
「わかった。二人が友人じゃないと言うことはよく分かった。だから、これから友人にならないか? 俺はシェリルはもちろんのこと、ハットンも好きだ。だから、二人が仲良くなってくれると、俺は嬉しいのだけど」
俺の言葉に二人は目をぱちくりさせながら、お互いを見合わせた。
その行動は、俺の願いを取るべきか、自分のプライドを取るべきか悩んでいるようだった。
しばらく二人はうんうん唸っていたが、シェリルは意を決したように口を開いた。
「マックスがそう言うなら、しょうがないわね。ハットンを仲間にしてあげるわよ」
「あんたが、頭を下げでお願いするならしょうがないわね。ひとつ、貸しよ、暴食」
「はぁ! なに言ってるのよ! 誰が、もごもご」
ハットンに噛みつかんとする勢いで否定をしようとする、シェリルの口を俺は塞いだ。せっかくハットンが仲間になってくれると言うのだから、これほど心強いことはない。そして、災厄と呼ばれる魔獣をこんなに近くで見てられるなんて、こんなに嬉しいことはない。
「じゃあ、これからもよろしくな、ハットン」
「もう、しょうがないわね。あたしがいないと、あなたはダメなんだから」
こうして、クラゲの魔獣ハットンは俺たちと一緒に行動することになったのだった。




