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魔獣愛の強い俺が、魔獣たちと仲良くしてたら魔王と呼ばれるようになりました。ちょっと待って! 俺、ただの底辺テイマーなんだけど!!!  作者: 三原みぱぱ
第二章 二人の戦いの幕開け

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第35話 底辺テイマーはつけられる

 俺達は他の行商人に紛れるように街を出てしばらくすると、周りに人気が無くなったのを確認して山道へ入っていった。

 シェリルは俺を咥えて下山した道をちゃんと覚えていた。

 これから先は人がほとんどいない山道を、馬を引いて歩き始めて、しばらくするとシェリルがささやいた。


「つけられてるわよ」

「なんで、俺たちを? 何人だ?」

「三人よ。理由は分からないわ。もしかしたらワタシ達がランリー達の所に行くのを聞きつけたのかもしれないわね。どうする? 殺しちゃう?」

「もしかしたら、たまたま行く方向が一緒なだけかも知れない。少ししたら、休んでやり過ごそう。それと簡単に殺すなんて言わないでくれ」

「分かったわ。でも、もしもの時は止めても無駄だからね」

「ああ、分かった」


 俺たちは後ろを振り返ることなく、まるで世間話をするようにしながら馬を引いて山道を歩くと、しばらくして馬が休めそうな場所に出た。

 馬の手綱を木に結ぶと、道路が見えるように座りながら俺は祈った。

 ただの通行人でありますように。その三人の命もそうだが、シェリルに人を殺してほしくはない。シェリルは魔獣なのだから人間の命など気にはしないかもしれないが、それでも俺の心情としては無駄に人を殺して欲しくなかった。

 そんな俺の気持ちを知ってか知らずか、シェリルはのんびりと空を見ながら、俺の隣で座っていた。

 すると背負子に荷物をのせた行商人風の二人の男が、話をしながら俺たちの前を通過しようした。そして通り過ぎるときに、俺を見て軽く会釈をしたのだった。

 その様子を見て、やはりたまたま行く方向が一緒だと安心してシェリルを見ると、いつの間にか姿を消していた。

 慌てた俺に二人の男の声が聞こえた。

 

「な、何だ、アレは!」

「狼?!」


 彼らは山道を見上げるとそこには銀狼の姿になったシェリルがいたのだった。

 シェリルは威嚇をするようにその大きな牙を見せると、男達は荷物を放り出して、剣を抜いた。

 無謀にもシェリルに対してたった二人で戦いを挑もうとしている。


「止めろ!」


 俺がそう、叫んだことがまるで合図になったように、シェリルは大きく鳴いた。

 その声に馬がおびえていななき、俺は慌ててなだめようとする。

 男達もおびえていた。そしてシェリルが走り始めたとたん、男達は武器を捨てて逃げ始めた。

 二人が逃げだした後、シェリルは大きな木を前足で薙ぐと太い幹は簡単に折れて倒れた。


「うぁあーーー」


 悲鳴は木の上から聞こえてきた。

 男が木の上に隠れていたのだった。男は頭から落ちてしまい、地面を真っ赤に染めていた。

 なんとか馬をなだめた俺はシェリルに駆け寄った。


「シェリル! 何で勝手に、こんなことを」

「逃げていった奴ら置いていった背負子を見てみて」


 人間の姿に戻ったシェリルはゆっくりと歩いて、背負子を開けると、中には何も入っていなかった。

 わざわざ空っぽの背負子を持ってこんな山道を歩いているのはあまりに不自然だ。俺たちを尾行するための変装なのだろうと俺にも理解出来た

 そして、木から落ちた男は逃げた男達と俺たちを監視するために、木の上に隠れていたのだろう。

 しかし、誰が?

 その後、俺たちは尾行に気をつけながら、ドワーフの街を目指して歩き始めた。

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