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魔獣愛の強い俺が、魔獣たちと仲良くしてたら魔王と呼ばれるようになりました。ちょっと待って! 俺、ただの底辺テイマーなんだけど!!!  作者: 三原みぱぱ
第二章 二人の戦いの幕開け

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第171話 底辺テイマーは決断する

 遮蔽物の無い海。吹く風は凍り、海も凍る。

 そんな北の海に出た俺は、早速後悔した。

 寒さと揺れ、そして強大な敵。

 確かに、これは海賊船だ。いや、海賊船と言うよりも軍艦だ。

 遠くにある船の横腹には、いつでも砲台が出せる口が見える。船首には突撃用の衝角(しょうかく)も見える。

 それでも、俺の大砲を使えば船を沈めることは可能だろう。

 しかし、それでは意味がない。船団を組んでやってくるか、機動力のある船で、逃げられるだけだ。

 奴らがなぜ、こんなところまできて、根こそぎ獲物を取ろうとしているのか。その理由を解決しない限り、奴らは何度でもやってくるだろう。

 そのためには奴らの話を聞かないことには分からない。


「マルビィ、奴らに接触したいんだが、近づけるか?」

「近づいてもいいけど、攻撃されても知らないぞ」

「やばければ逃げてくれ、あとはこっちでどうにかする。シェリル、準備しておいてくれ」


 暇そうに空を見上げていたシェリルに、俺は声をかけた。

 ブラックドラゴン襲来以降、のんびりとしているシェリルの力を借りることになるかもしれない。


「良いけど、あれって、美味しくないわよね」

「ああ、だが、あの中には美味い物があるかもしれない。それに、あいつらが食べ物を独り占めしようとしているからな」

「そうなの! 食べ物の独り占めはだめよね!」

「う、うん……」


 シェリルがそれを言うか? と言う言葉を俺は飲み込んで、船を睨みつけた。

 向こうからもこちらが視認できる距離になった時、俺が立ち上がった。

 その瞬間、俺たちの船が揺れた。


「おっと」


 揺れに気を取られ、俺は見逃した。

 そして、軍艦から悲鳴が上がった。


「あの、馬鹿! マルビィ急いでくれ」

「えっ! あ、ああ。わかった」


 マルビィは風をつかむと、海の上を走らせる。

 マガミが相手を皆殺しにする前に、近づかないと、相手の意図が分からない。

 しかし、相手の行動は早かった。

 マガミが新入した船に大砲を打ち込みながら、距離を取り始めた。

 その動きを見て、俺は絶望した。あの動きはやはり、海賊なんかじゃない。

 軍隊だ。

 ただの海賊船であれば話は早かった。彼らがここで漁をするメリットより、デメリットが大きいと示せば、別の所に行くだろう。

 しかし軍隊は違う、上から、何らかの使命を帯びて行動している。

 そして、船を襲ったマガミの行動で、俺たちを敵対勢力として認識されたはずだ。

 ここで逃げられては、対策をされた上、再度やってくるだろう。取り逃がすわけにはいかない。


「シェリル、一艘任せて良いか?」

「良いけど、沈めて良いの?」

「構わない。というか、完膚なまでに沈めてくれ!」


 逃げられるよりはよっぽどいい。そして、帰ってこない船を探しに仲間がやってくるだろう。そこで、知らん顔をして交渉するしかない。

 だから、ここにいる三艘は海の底に消えてもらおう。


「だめだ!」


 マルビィが叫んだ。

毎週月曜日更新です。

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