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魔獣愛の強い俺が、魔獣たちと仲良くしてたら魔王と呼ばれるようになりました。ちょっと待って! 俺、ただの底辺テイマーなんだけど!!!  作者: 三原みぱぱ
第二章 二人の戦いの幕開け

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第15話 底辺テイマーは落とし穴に落ちる

「なんで、こうなった?」


 俺は真っ暗な穴の中で、真上に見える青い空を見て、ため息交じりにつぶやいた。

 地上までの高さは十メートル近く、まともに考えて上がれない。その上、周りの壁は脆く、手をかけた側から崩れてしまう始末だ。


「まあ、落ちちゃったものは仕方が無いじゃない。こっちに行けるみたいよ」


 シェリルは困っている俺とは対照的に、ご機嫌だった。

 それもそのはず、ほんの五分ほど前、シェリルの機嫌を取るために、いちゃいちゃ、ちゅっちゅと五分ほどしたあと、旅路を急ごうとした俺に、調子に乗ったシェリルが飛びついて来たため、二人して落とし穴に落ちたのだった。

 シェリルが示した方向からカビ臭いしっとりとした冷たい風がゆるり流れてきた。

 仕方が無い。どこか、上がれるところがあるだろと俺は考えて、横穴を進むことにした。

 初めはしゃがまなければならないほど小さい穴だったが、奥に進むほど広くなっていた。


「なあ、シェリル」

「フンフン♪ な~に?」


 鼻歌交じりで俺の隣を歩いているシェリルは、まるでピクニックに行くかのような軽い足取りで薄暗い穴の中を歩いていた。


「ここって、ダンジョンじゃないのか?」


 俺がシェリルと初めて遭った場所もダンジョンだった。ダンジョンとは地底に造られて迷宮の事である。それは人工的に造られた所もあるが、自然の鍾乳洞を利用した物もある。基本的にはダンジョンの主がおり、色々なモンスター達が住処として集まる。


「そうみたいね」

「そうみたいって……ここがダンジョンならモンスターがいるって事だろう。俺達二人で大丈夫か?」

「ねえ、マックス。なにか忘れていない?」


 シェリルは、まるで面白いクイズを出したように俺の答えを待っていた。


「何をだ? シェリルこそ俺が何も出来ない底辺テイマーだと忘れていないか?」

「なに言っているのよ。あなたは最高の男よ。それよりも、ワタシは元ダンジョン主よ。どんなモンスターが出たって平気よ」


 まあ、そうかもしれない。しかし、シェリルだって無敵ではないだろう。例えば、デッドハットが上空から一方的に攻撃をされれば、手も足も出ないだろう。それに、たとえシェリルが大丈夫でも俺はひとたまりも無い。ダンジョンの中に川が流れている場所もある。水中生物に引きずり込まれてはどうなるか分からない。

 

 しかし、俺の心配など二秒で吹き飛んだ。

 銀狼の姿の戻ったシェリルは、俺達に襲いかかってくるモンスターを、噛みついては飲み込み、その爪で真っ二つにしては噛み砕いた。その戦い方は圧倒的だった。

 シェリルの強さに安心したと同時に、モンスターの種類に安心した。地上で見かける種類が多くいる。つまり、このダンジョンは地上と繋がっているはずだ。

 そう考えた俺は、慎重にそして確実にダンジョンを進んでいった。


「おかしいな?」

「どうしたの?」

「これくらい大きいダンジョンだと、普通、人間が潜っているんだが、そんな様子がないんだ。死体や武具が落ちていてもおかしくないんだが、それが全く無いんだ。おかしくないか?」


 もう、探し尽くされたダンジョンなのかもしれないが、それにしても古い武具が落ちていてもおかしくない。


「そう? でもドワーフの死体ならその先に一つ転がっているわよ」

「え!?」


 薄暗いダンジョンの中で、シェリルはどこまで見えているのだろうか? 俺にはシェリルの言うところの死体の”し”も見えない。それに、なんて言った? ドワーフの死体だと? なんでこんな所に?

 俺は数々の疑問があったがシェリスの案内で、ドワーフの死体の所に行ってみた。

 そこには子供くらいの背丈の白骨死体が転がっていた。


「これがドワーフ?」

「ほら、いつも地面の中にいるから、背が低く、空気を吸い込みやすいように鼻が大きく、繊細な作業をするから指が長いでしょう」


 シェリルが言うようにその白骨死体は普通の人間よりも頭蓋骨が大きく、その鼻骨が大きく、手の指は長い。あばら骨に刀傷がある。誰かに刺されたのだろうか。


「なにか、持っているな」


 死体はリュックを背負った状態で座っていた。俺はそのリュックをのぞいてみると、そこには腕があった。金属で出来た腕は両腕そろっていた。


籠手(こて)なのか?」


 俺はその腕を見ると中は空洞にはなっていないため、右手をつける事は出来ない。

 そうすると……。

 左腕はつけられるが、ただそれだけだ。指が動く訳でもなく、ただ、くっついているだけ。しかし、()()ドワーフが作った物だ。取り付ける方法はあるのだろう。とりあえず、盾の役目くらいにはなるだろうから左腕はつけたまま、右腕もリュックに入れて持って行くことにした。まあ、使えなくてもどこかで売れるだろう。

 しかし、伝説の種族ドワーフの初対面が死体とは、なんだか先行きが不安になる。

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