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魔獣愛の強い俺が、魔獣たちと仲良くしてたら魔王と呼ばれるようになりました。ちょっと待って! 俺、ただの底辺テイマーなんだけど!!!  作者: 三原みぱぱ
第二章 二人の戦いの幕開け

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第113話 底辺テイマーは勇者と魔獣の戦いの決着を見る

 ジャカツに締め上げられていたサルーンが光を放ったのだった。

 そのあまりの光にジャカツは顔をそらしながら叫んだ。


「なんじゃかつ」


 光が収まったとき、締め上げていた体に光の剣が無数に突き刺さっていた。

 血に染まったジャカツはサルーンと一緒に地面に落ちた。

 その姿に俺は思わずつぶやいた。


「サルーンが勝った?」


 しかし、俺の言葉に反論するようにサルーンは膝をついた。

 それを見たジャカツはその体を振り回し、光の剣を振り落とした。


「魔剣を持っているとは言え、しょせんただの人間じゃかつ。死ね!」


 ジャカツは体中の鱗を逆立てた。ギラリと不吉に光る鱗は鋭い刃物そのものである。その上、ジャカツはその体を回転させ、恐るべき速度で打ち出した。

 その鱗はサルーンだけでなく、武道台に残っている参加者だけでなく、魔法で守られているはずの観客も巻き込み、無差別に攻撃する。


「ご主人様、後ろへ!」


 クジラブルの姿に戻ったカサミがその左手の盾を構えて俺を守ってくれた。

 俺はカサミの陰に隠れながら、カサミを心配する。


「大丈夫か?」

「大丈夫です。相手が魔獣協会幹部でも、クラブジラの盾を簡単には破れません」


 カサミの言う通り、ジャカツの鱗はカサミの盾に刺さるものの、盾を貫くことはなかった。

 しかし、それはカサミが言ったようにクラブジラの盾だからこそである。ほかの参加者は盾や防具ごと切り裂かれて、あたりは血の海と化した。

 そしてそれはサルーンも例外ではない。無数に襲い掛かる死の鱗に対し、ひたすら回避を続ける。それでもすべてを避けることはいくらサルーンでも不可能だった。そのため致命傷になりえる鱗に対しては光の剣ではじいた。


「グファ」


 鱗が腕を切り、足に刺さり、血しぶきを吹き出す。

 それでも、鋭利な鱗を避け続け、ついにジャカツの鱗が尽きた。

 それと同時にサルーンも膝をついた。

 それを見てジャカツは喜び、笑った。


「ふははは、とうとう力尽きたじゃかつ。死ね!」


 ジャカツは巨大な口を開け、毒にまみれた鋭い牙を見せてサルーンに襲い掛かった。

 サルーンの状態が普通であれば避けられるであろう、その攻撃は、今のサルーンには致命的である。かすり傷でもその毒で致命傷になる。


「危ない!」


 俺がそう叫んだとき、サルーンは立ち上がり、聖剣を構えた。


「この時を待っていました。集まれ、悪魔を滅する666本の聖なる(つるぎ)


 勇者サルーンの呼びかけに光の剣がその聖剣に集まると、巨大な一本の剣になった。

 巨大な蛇の魔獣であるジャカツよりも大きな光の聖剣。

 小さな山なら一撃で切り裂けそうなその剣にジャカツも気が付いた。しかし、虫の息の人間に最後の一撃を加えるために襲い掛かかろうとしたジャカツは止まらない。

 そのジャカツを見て、サルーンは笑みを浮かべた。


「死ね! 地中の王!」


 サルーンはその剣で、まるで雑草を切るように軽く薙いだ。 

 その美しい剣筋に俺が見とれていると、ジャカツの叫び声が響き渡った。

 首だけになってもサルーンに襲い掛かろうとしていた。


「せめて、貴様だけでも道連れにするじゃかつ」

「大丈夫ですよ。すぐに他の魔獣たちも地獄へ送ってあげますから、今は一人で行ってください」


 慌てることなく、サルーンはジャカツの頭を串刺しにする。

 これが魔獣ジャカツの最後だった。

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