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魔獣愛の強い俺が、魔獣たちと仲良くしてたら魔王と呼ばれるようになりました。ちょっと待って! 俺、ただの底辺テイマーなんだけど!!!  作者: 三原みぱぱ
第二章 二人の戦いの幕開け

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第110話 底辺テイマーは勇者を煽る

 武道会の大舞踏台を突き破って表れた巨大な蛇の魔獣。

 シェリルを助けるために俺たちが、倒すべき敵ジャカツが姿を現したのだった。


「見つけたぞ、人間にハットフィールド。シェリルが見当たらないということは、死んだのじゃかつ?」

「ジャカツ!」


 その姿に思わず、俺は叫んだ。

 シェリルを助けるために倒すべき敵。仲間を集め、力をつけてから探そうと考えていた相手が目の前に現れたのだ。

 しかし、奴を倒せるだけの力が俺たちにあるのだろうか。勇者の力を借りることは出来てない。だが、そんなことを待っていては、ジャカツに逃げられるかもしれない。

 幸いなことに、ジャカツは一人でこの場に来ている。それに対して、こちらはハットンと俺がいる。同じ魔獣同士、ハットンとジャカツの実力が同レベルなら、俺がいる分、有利なはず。

 ならば、やることは一つ。

 ジャカツを倒す!


「ジャカ……」

「魔獣! 魔王! 何を考えている。グラブジラは取り返したのに、ヨルムンオロチまで召喚するとは。いよいよ本格的に、我々の動きに気が付いて、先手を打とうということですか?」


 俺がジャカツに向かおうとしたとき、勇者サルーンがサリュリから距離を取って叫んだ。

 まずい。勇者はジャカツと俺たちが仲間だと勘違いしている。

 それもそうだ。魔獣であるシェリルとハットンが俺の仲間だと、勇者は知っている。その上、カサミをテイムしてしまっている。すべての魔獣が俺の仲間だと勘違いされても仕方がない。

 俺は言い訳をしようと考えて、やめた。

 それよりも、もっといい考えが浮かんだ。


「勇者、そうだ。奴はお前を倒すための切り札だ。倒せるものなら倒してみろ。シェリルやハットンい尻尾を巻いて逃げ出したお前なら、手も足もだないだろうがな」


 初めて会ったとき、シェリルとハットンから逃げ出したことを煽り、勇者をジャカツにぶつけることにした。

 勇者が俺の煽りに乗ってくれることを祈った。ジャカツの言葉を冷静に聞いていたならば、ジャカツが俺を狙ってきたことに気が付くはずだ。

 そんな俺の内心の不安に気が付いているのか、付いていないのか、サルーンは手に持っている剣をしまい、サリュリとの戦いでも抜かなかった細身の剣を抜いた。


「何を言うのですか。あれはただ聖剣を取りに行っただけですよ」


 聖剣、それは読んで字のごとく勇者に与えられる聖なる剣。

 それは勇者の能力を大幅に強化し、魔を滅する剣と言われているが、詳細は普通の人間には知らされていない。

 その剣は儀式用のように美しい装飾を施されている。この剣でサリュリの剣を受ければ、一撃で折れてしまうだろう。

 明らかに撃ち合うための剣ではない。

 その剣をサルーンは求めた。

 ただの剣ではないはずだ。

 その剣の実力を知りたい。

 俺は勇者に言った。


「そんなおもちゃで、ジャカツを倒せるはずがないだろう」

「魔王よ、あなたの切り札がどれほどのものか見せていただきましょう」

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