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魔獣愛の強い俺が、魔獣たちと仲良くしてたら魔王と呼ばれるようになりました。ちょっと待って! 俺、ただの底辺テイマーなんだけど!!!  作者: 三原みぱぱ
第二章 二人の戦いの幕開け

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第106話 底辺テイマーは空を舞う人を見る

 ハットンがモリャシュを気絶させる間に、俺はやることがあった。

 それはモリャシュがカサミに付けた契約紋の場所を確認することだ。契約の上書きとはすでにある契約紋のうえに自分の契約紋を上書きすることである。

 モリャシュの気絶がどのくらい続くか分からない以上、準備が出来れば即座に行動を起こせるようにしなければならない。

 俺は巨大なカニの魔獣の前に立った。

 ワタリガほど大きくはない。そして、もともとのカサミの性格は戦いに向かない。

 それでも他のモンスターに比べれば、大きく、硬く、強い。それがモリャシュのテイムにより本来の能力を十分以上発揮されている。

 そんなカサミに俺は立ち向かう。


「カサミ、少し辛抱してくれ」


 契約紋の位置を確認するためには、俺がカサミにテイムを仕掛ける。そうすればカサミに施されたモリャシュの契約紋が抵抗しようと反応する。その時に、モリャシュの魔力が俺の魔力を排除しようとして、カサミに痛みが生じるはずだ。

 しかし、それはカサミを救うために必要なプロセスである。

 俺はカサミの攻撃を避けつつ隙をうかがう。

 そういえば、俺の左腕は義手のため契約紋を出せない。そして右手はハットンの細胞が入っている。そんな状態で契約紋を出せるのだろうか?

 しかし悩んでも仕方が無い。

 俺は上段から襲いかかるカサミの爪を避けると、地面に叩きつけられた爪に右手を触れる。

 すると俺は契約紋を発生させる。


「いでよ! 契約紋」


 青色の契約紋が発生するとカサミが苦しみ始め、その胸の部分に赤い契約紋が光り輝いた。

 これで、契約紋の位置は分かった。後はハットンがモリャシュを気絶させてくれれば良い。

 俺は痛みで隙が出来たカサミを伸ばした右腕で拘束したあと、ハットンを見ると、ハットンは何の障害もないようにスタスタとモリャシュの方に歩いていた。

 そして、カサミを拘束されてあ然としているモリャシュの前でハットンは立ち止まった。


「いま、あの子の契約を解除したら命は助けてあげるわよ」

「ふ、ふざけるな。僕がただのテイマーと侮るな!」


 モリャシュは細身の剣を抜いた。

 その剣には魔法が付与され、その軽さにもかかわらず、折れず、曲がらず、その上、その剣で付けた傷は痛みを増幅し、治りが遅くなる。モンスターを弱らせてテイムするための剣。

 モリャシュの自慢の剣をハットンに向かって繰り出す。


「うるさい」


 ハットンはそう言って、モリャシュの美しい顔をビンタした。

 モリャシュはくるくると木の葉のように空を舞い、他の出場者たちの人だかりに落ちた。


「ダーリン! 気絶させたわよ」

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