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魔獣愛の強い俺が、魔獣たちと仲良くしてたら魔王と呼ばれるようになりました。ちょっと待って! 俺、ただの底辺テイマーなんだけど!!!  作者: 三原みぱぱ
第二章 二人の戦いの幕開け

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第104話 底辺テイマーは蟹の魔獣に再会する

 魔法使いは驚いた顔をしている。しかし、それ以上に俺が驚いていた。

 出来た! ハットンがやったように腕を伸ばし、魔法使いを捕まえた。


「で、これからどうしたら?」


 魔法使いを捕まえたまま。俺は思わずハットンを見ると、俺の成功ににっこり笑いかけてきた。

 その表情を見て、俺は気が抜けてしまった。その瞬間、右腕が一気に元の長さに戻ってしまった。

 魔法使いを捕まえたまま。

 いきなり目の前に現れた魔法使いの男と目が合う。

 魔法使いの男は何が起こったのか分からないようで、きょとんとした顔をして、口を開いた。


「やあ、こんにちは」

「あ、こんにちは」

「じゃあ、私はこれで、お互い頑張りましょう」


 そう言って魔法使いの男は、手を上げて立ち去ろうとするが、俺の手は掴んだままだった。

 思わず、その手を見て俺たちは顔を見合わせた。

 そんな俺たちを見て、ハットンがささやいた。


「ダーリン、電撃」

「あ、ああ」

「や、やめてくれ」


 先ほどと同じように強く念じれば出来るはずだ。

 電撃を。

 魔法使いの男は身体をビクンと跳ね上げた。


「た、す、け」


 先ほどハットンがやったようには気絶しない。出力が低いのか? もう一度強く念じる。

 電撃!


「グハッ」


 やっと、魔法使いの男は崩れ落ち、俺はそのまま場外へ押しやり、他の人達を見ると、まるで化け物を見るような目で俺を見ている。

 当然だろう。魔法使いが電撃を放つことがあっても、普通の人間の腕は伸びない。そう意味ではハットンも人間でないことはバレているだろう。

 先ほどまで、俺を馬鹿にしていた連中も、警戒した様子で距離を取っていた。

 その時、アナウンサーの声が会場に響き渡った。


「さあ、残った強者たちを大きくふるいにかけるために、ここでスペシャルゲストの投入だ! みんなご存じ超絶天才イケメンテイマー、モリャ~シュ~!!!」


 その声に一人の男が観客席から大舞台へ飛んで現れた。

 その姿を俺は知っている。

 あの、酒場でこの武道会にモリャシュが参加すると教えてくれた男だった。

 自分で自分の宣伝をして回っていたのを考えると、もしかして、彼は俺が思っていたような、人ではないのかもしれない。

 しかし、人柄とその能力は別物だ。

 誰もが舞台の真ん中に降り立った男に視線が釘付けになっていた。

 つかの間の沈黙の後、槍使いホンディが槍を構えたまま言った。


「コイツ、テイマーだって言うのに一人でやってきたぞ。馬鹿じゃないのか?」


 そう言って、両手を挙げて、自分をアピールする姿のままのモリャシュに襲いかかる。

 その姿を見て、モリャシュは悲しそうに言った。


「ボクに襲いかかるなんて十万年早いよ」

「ふざける……」


 キン!

 ホンディの言葉は、自身の槍が硬い物に当たる甲高い音で遮られたのだった。

 モシャシュとホンディの間には巨大な蟹が立ちはだかり、その左腕にある丸い盾でホンディの必殺の槍を防いでいた。

 俺はその巨大な蟹に見覚えがあった。


「魔獣さえ、テイムする天才テイマーに槍など何の役にも立たないぞ」 

「ワタリガか? いや、あの大きさは……」

「カサミだわ。ワタリガの娘の」


 そう、それは俺たちが魔獣協会に向かうときに別れたカサミだった。 

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