方向音痴
俺は女の人に行き、声を掛けることにした。明らかに困っている様子なのにほっとく訳にも行かないし。
「どうしましたか?」
そう聞くと
「このスーパーに行きたいんどすけど道がわからんで」
と、そう言いながらスマホを見せてきた。
スマホに出ている目的地に設定されている場所は俺が今ちょうど向かっている途中のスーパーだった。
「このスーパーだったら用があるんで一緒に行かますか?」
「ええんどすか?」
どすか?これって方言.....だよな?え〜と多分いいんですか?って事でいいのだろうか、
「いいですよ」
俺は女の人を連れてスーパーに向かった。なんか急に話しかけちゃったけどこれって大丈夫なのか?ヤバいやつとか思われてないよな?
って言うかすごい綺麗な人だな、髪が長いし、綺麗な簪付けてるし和服とか似合いそう、なんと言うかすごいおっとり?してたな〜俺とあんま歳は離れてなさそうだったけど...
そんな事をただただ考えながら歩いてるとあっという間にスーパーに着いた。考え事をしてると時間を忘れてしまう.....
「ここですね」
「おおきにどした」
そうお礼を言って女の人はスーパーの中に入っていった。って言うかここのスーパーこの辺りじゃ1番デカくて結構目立ってると思ってたんだが、どんだけ方向音痴だったんだあの人、まぁいいか
俺も遅れてスーパーに入り1週間分の食材を次々とカートに放り込む。食費とかは全て親がもってくれるのはすごく有難い。その上お小遣いも少し貰えるとは、感謝してもしきれないな。
「よし、これくらいあれば足りるか」
レジに向かいカゴに入っている食材を次々とバーコードを読み取ってレジを通してもらう。
今までは2人分の食材を買ってたけど1人分となると意外と感覚が違うもんだな。全てレジを通したあとお会計をレジ袋を持つ。いくら1人分と言っても1週間分となると意外と重いな、重たいレジ袋を持って出口に向かうと
「君はさっきの」
「また会いましたね」
どんな偶然だよ、同じタイミングで買い物が終わるってすごいな、ちょっと後で宝くじでも買って帰ろうかな
「さっき会うた所まで一緒に歩かへん?」
「別にいいですけど」
俺はさっきこの人とあった所まで一緒に歩くことにした。
歩き始めて少しした頃一緒に歩いていた女の人が口を開いた
「そう言えばまだ名前言うてへんかったなぁ〜うちは寺園京香、君は?あ、別に言いとうなかったら無理して言わんでもええで〜」
「俺は如月零、寺園さんでいいかな?」
「ええで〜」
さっきから思ってたけどすごい方言使ってるな〜関西の方の出身なのかな?そう言えば昨日の子も方言使ってたな、
「零くんは高校生やんな?」
「あ、はい今年から伊集院高校に」
「へ〜伊集院高校ね〜」
やっぱり伊集院高校って言っただけで分かるのか
って言うかなんかすごい個人情報を言ってしまったような.....ま、これくらいいいか
「ほな今日はここら辺で」
今日は?
「あ、はい」
「また今度ね〜」
また今度?なんかまた会うみたいな口調だな。まぁいいか、早く帰ってご飯食べよ。重たいレジ袋を持って家の方向に歩いていく。スーパーから家が近くて良かった〜まぁ2人分よりかははるかに軽いけど、
◆
やっと家に着き扉を開けキッチンに食材を持っていき今日使う分の食材だけ取り分けて残りのものは次々と冷蔵庫の中にしまう。
しまい終わったあとリビングに行きゆっくりしているうちにだんだん眠気が襲ってきた。自室に戻りブランケット取ってきてそれをかけ俺は、そのまま眠ってしまった。
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