ビリーとの出会い
ビリーside
『いや!助けて!!』
なぜ私は追われているんだろう
『うっせぇ!大人しく捕まれ!』
怖い、誰?嫌だ。誰か…助けて……
『ねぇ…女の子に寄ってたかって…恥ずかしくないの?』
『あぁ?誰だ!見張りはどこに……っ!!』
言いかけたその瞬間だった
『おねんねしようね〜』
彼は…コルボさんは軽くそう言うと「ふぅ…」と息を吐き、その場にいた男の人達を眠らせた。10人くらい居た人たちを、いとも容易く。そして、私を助けてくれた。
この日から私はこの人について行く事を決めた。
マフィアのボスだと言う彼は一見するとそんな雰囲気は全くない。殴られた痣、切れたおでこ、身体中の包帯、眼帯もしていた。体も弱そうで、ボスというよりかはいじめられっ子という方がピンとくる。
しかし、彼は多分、普通ではない。この人はおそらく異能力を使える。しかもとても強大な。そもそも異能力とは、物を浮かせる、毒を吐く、透視ができる、などなど、人による、ごく稀にしか居ないのだが…
彼ははっきりとは言ってくれないが初めて会った日見た光景、あれはおそらく………
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何日か部下として働いていると、学校ではいじめられ、代替わりしたばかりのマフィア内でも散々バカにされている事がわかった。反論してやりたかった。しかしそれを彼は柔らかい笑みを浮かべ、
「ビリー、ありがとう、大丈夫だよ」というのだった。
今日の仕事を確認する。彼に指示だけすれば私が動くと言ったのだが、体を動かしたいし、どっちにしてもビリーと2人でした方がすぐ終わる。と断られ、いつも一緒に行くのだった。
今日の仕事は『清掃』か…
こんな仕事なら下っ端何人かでさせればいいものを…あの補佐…コルボさんをなんだと………
いや、怒っていても仕方ない。彼ならすぐ終わらせれる。電話がなった、彼からだ、仕事の内容をあらかた伝える。何度か彼と仕事をしたが、未だに彼の異能力が分からない。彼は何者なのだろうか。何が目的なのだろうか。
柔らかなあの笑みが脳裏をよぎった。
次回、プロフィールまとめか『清掃』が出ると思います。