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必殺!電流罠! 〇月15日(昼)

沢山の方にお読みいただき感謝しております。雪月花です。

「えっと、ここにこうして…パチンっと。」


「指を刺さないようね?」


翠木さん宅のお庭で有刺鉄線をニッパーで切断し、鉄パイプを持って来る。翠木さんが穴を空けてくれた物だ。何の穴って?この穴にボルトを差し込み庭を囲う塀の上部、其処に立てる様に鉄パイプを固定して行く。そして、そのパイプ同士を繋げる様に有刺鉄線を引いて行く。塀を超えられないようにする為だ


「大丈夫ですよー。ちゃんと手袋もしてるので」


「それでもだよ、指は大事だからね」


そう言ってバッテリーを持って来てくれた。ありがたいです。


「これでよし、後は…」


「鉄パイプは付けて来るよ、力仕事だしね」


「すいません、ありがとうございます。バッテリーの準備をしておきますね」


「ベアトラップの設置終わりましたっ、力要りますね…」


そう言って、ふぅ…っと息を吐く紗那ちゃん。足は大丈夫かな…?


「お疲れ様、怪我は大丈夫…?」


「はい、問題ないですよ。後は…有刺鉄線の設置と…」


「うん、電流を通すだけだよ。切断しようとした人とか感電する様に…後、モーションセンサー付きの高出力ライトの設置だね(翠木さん作)」


ぐいぐいっと、鉄線を切断していき、力任せに巻いて行く。良く見る形に近付いたかな…?そんな作業を繰り返し(時々紗那ちゃんと交代して)2時間程したら翠木さんが戻って来た


「設置は終わったよ。そっちも終わりそうだね」


流石に疲れた…っと苦笑いしては近くの椅子に腰を下ろし、汗を拭う。ちなみに今は夏。季節的にはね、でも…もの凄く寒い。朝夜は氷点下だし…凍えちゃうよね


「はい、丁度終わりましたよ」


此方の作業を終わったので翠木さんにお茶を出す事に、本当にお疲れ様ですっ


「ありがとう、それにしても…この寒さは異常だね。風邪を引かないようにね?」


「はい、暖かくしないとですね…」


「ですね…此処は暖房があるからいいけど…ここに来てなかったら危なかったかも…」


苦笑いしながらちょっと前を振り返る。本当に偶然だったんだよね…


「そう言えば、凛華さんは何で翠木さんと…?」


「あー…それはですね。えーっと…」


「凛華君が僕の家に侵入したのが始まりだよ」


「そ、そうなんですか?!」


「あはは…はい」


申し訳なさでしょんぼりすると翠木さんと紗那ちゃんに両サイドから撫でられた。悲しい


「最初は設備を狙って、拠点にする為に探してんだ。んで…此処のお家を見つけて…侵入して、翠木さんにガンツとされて」


「共同生活が始まったんだよ」


「…???」


私の端折り過ぎた説明で?マークを浮かべる紗那ちゃん、ごめんね。真面目に説明するよ


「成る程…」


「そんな訳でこうなってるんだ。…まぁ、私がばかな事やってただけなんだけど…」


今思えば、油断し過ぎてたと言うか…何と言うか…監視カメラの前で両手を振りながら移るなんて…ねぇ…不審者だよね


「今思い出してもあの時は驚いたよ、気絶させてしまった後に申し訳なくなってしまってね」


はっはっと笑いながら話す翠木さん、いやいや。アニメや映画の様によく手刀で首を叩いて気絶させる演出があるけど、あれを本当にやろうと思うとかなり無理があるって聞いた事あるよ!?…実体験したけど


「さて、そろそろ。取り掛かろうか?」


「あ、はい。えっと、梯子は私が持つから紗那ちゃんは鉄線をお願いね?」


「はいっ!えっと、これですね」


ひょいっと有刺鉄線を持ち上げる紗那ちゃんに危ない!って言おうと思ったら先に『ちゃんと手袋してますよ♪』と言われてしまった。恥ずかしい


「こほん。じゃ、翠木さんは…」


「凛華君と一緒に有刺鉄線の設置だね?」


「はい、気を付けて設置しましょう!」



そんな感じで始めた作業、3m程高さのある。塀の上に翠木さんが立てた鉄パイプを支点に巻いた有刺鉄線を設置して行く、更に堀の内側…私達が踏まないような位置でもしも、塀を越えた人が着地の時に踏むような位置を想定してベアトラップを敷き詰めて行く。この際設置したベアトラップ同士を銅線で結び、そのまま伸ばしておく。更に有刺鉄線に引っ掛けた銅線と結び付け…車用のバッテリー…四個と繋ぐ、多分これで電流が流れているはずっ。多分…


「さて、念の為にテスターで計ろうか」


翠木さんが電圧計を手に各所を回ってちゃんと電気が流れているのか調べてくれている。しっかりと電気が流れていても恐らく死ぬ程ではないだろう。でも、驚かすには十分だし。ベアトラップにも流れているので踏んだらどうなる事か…ちょっと怖いね…(発案、紗那ちゃんだけど)


「問題無く通ってるよ、流石だ」


戻って来た翠木さんは笑いながらそう言った。良かった…ちゃんと出来てたみたい…紗那ちゃんと二人でハイタッチしながら喜んでいると、不意にヘリコプターの飛ぶ音が聞こえて来た。え?飛んでるの?


「り、凛華さん…あれ!」


「ヘリ…?操作できる人間が…?」


ヘリは私達の頭上を過ぎ、昨日行った病院の方角に飛んで行く、すると…オレンジ色の箱がヘリから落ちて来る。パラシュートまでついており…まるで…


「救援物資…?」


「誰が…そんなの…」


そう、まるで救援物資なのだが…そんな物を撒く程余力のある国があるのだろうか…それよりも


「あまり良くないかもしれませんね」


「何でだい…?」


「いえ、私達にとってはと言う意味です。物資が投下されれば求める人が安全なキャンプから出てきます。そうすれば周りの物資も持って行くでしょう…更にここが見つかる可能性もあります」


そう、人が動けば物がなくなる。更にゾンビに襲われればその分増やす事になる、気なる様な量にはならないだろうけど…一番の問題はこの拠点が見つかる事だ。それだけは避けたい


「兎も角、今日は休もうか。念の為に準備をしておいて」


「は、はいっ」


今日は翠木さんに休んでもらって私が夕飯を!だって、私より翠木さんの方が女子力が高いんだもん!そんな訳で腕を奮って頑張る事に…が、頑張る…


「ごめんねぇ…さなちゃん」


「だ、大丈夫ですよ?」


私こと、双海凛華は結局料理が満足にできず、紗那ちゃんと言う助っ人が手を差し伸べてくれた。悲しきかな、独身女性。


「紗那君に止められてね、申し訳ない」


「い、いぇ。いいんです」


今翠木さんに変わったら完全に戦力外通報だ(キッチンの)。それだけは防がねば…!



そんなこんなで、無事にパスタが出来上がり。翠木さん程のクオリティではないけど…十分満足できました。紗那ちゃんにも頭が上がらないことが発覚しました。

少しでもお暇な時間が楽しくなるよう頑張りますっ!ではでは

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