難しく考えないで堅実に固めるのです!でも、その前にお仕事! 〇月15日(朝)
(/・ω・)/( ゜Д゜) 雪月花です。今回もよろしくお願いしますっ
カーテンの隙間から零れる様に部屋を照らす朝日。偶然なのか私の目に直撃し眩しくて目を覚ました。スマホを左手で操作し、画面を点ける。7:00っと数字が表示された…なんだ、後二時間寝れるじゃん…そう思いながら寝返りを打とうとすると右腕が動かない。あ、そっか
「…可愛らしい寝顔しちゃって、もう」
右を向けば昨日一緒に寝た紗那ちゃんが腕にしがみつく様に夢の中にいた。起こすのも可哀そうなのでそのままの姿勢で寝直す事に。怖い夢を見ませんようにっと
「凛華さん…凛華さんっ」
「んみゅ…ぅー…?」
かくんかくんっと揺らされると2度目の起床、相変わらずのぽけぇっとした状態で紗那ちゃんを見る。あー…そっか、二度寝したんだっけ
「ぉはよぉー…」
「はい、おはようございますっ」
紗那ちゃんに挨拶すればしっかりと返って来る。三度寝したいです、はい。でも、起きないと昨日の悲劇が…あ…
「凛華さん…朝に凄く弱いんですね…」
ガバッとだらしない顔を枕で隠しては二度目の羞恥の叫び。注意してたのになぁ!?何やってのん!私!
「ぅん、凄く弱いです。…よし、もう大丈夫。起きよっか」
冷静さを取り戻しかつ、いつもの雰囲気に戻しては紗那ちゃんと一緒に部屋を出る事に、昨日と同じで翠木さんがキッチンで腕を振るっていた。この家の地下で取れた野菜(水耕栽培施設ってすごいなぁ)のサラダとトースト、コーヒーが既に置かれていた
「やぁ、おはよ。顔を洗って来ると良い」
「ふぁい…」
「はいっ」
ゆらゆらっと動く私とは反対にいつも道理の動きをする紗那ちゃん、朝強いっていいなぁ…
「ごちそうさまでした…凄いですね、野菜が食べれるなんて…」
「ごちそうさまです。あはは…私もそう思う…」
「薬で栄養は取れるけど、食物繊維は取れないからね。地下に栽培できる場所があるんだ。今日案内しようか?」
優雅にコーヒーブレイクをしながら、翠木さんの提案に頷く。地下、気になります。武器なんかもあそこに運んでおいた方が良いのか、な?
「それじゃ、行こうか。早めに見せておこう、今日は大変そうだしね」
翠木さんが席を立ち上がったので私達も立ち上がり、後をついて行った。ガレージの奥…車で隠れてよく見えなかったけど、ドアがあったんだね
「この先の階段を下に行けばあるよ」
「地下で栽培してるんですか…?」
「あはは…多分見ればわかると思うよ。私も見るのは初めてだけど…話では聞いてるから」
会話をしながら階段を下りて行けば、横に長い四段の棚の様な物が地下のスペースに詰め込まれていた。…いやいや!規模が農家なんですけど!?
「す、すごい…水耕栽培って初めて見ました…」
「う、うん…私も初めて、ついでにこんなに広い空間にあるのを見るのも初めて…」
なんでも翠木さんの友人が水耕栽培に挑戦し、軌道に乗っていたのだが。交通事故で下半身が動かなくなってしまったらしい。その友人の方に良ければ使わないか?と言われ全て引き取り、使い方や栽培の仕方などすべてマスターしてるんだとか。人間関係凄いですね…
「でも、しばらく野菜には困らなそうですね…あ、バジル」
「そうだね…翠木さんには頭が上がらないよ…」
「はは、そんなに恐縮する事ないよ。あくまでも趣味の一環だからね」
趣味の規模じゃないんだよなぁ…納品で食べていけそうなぐらいの規模なんですよ…
「さ、上に戻ろう。準備をしないとね」
…
…
…
「まずは、個々の周りにいるゾンビを片付けないとですね…じゃないと作業の邪魔ですし…」
「そうだね…なら、僕と凛華君で外を片付けてしまおう」
私はクロスボウを翠木さんはサバイバルナイフにM9と言われるハンドガンの準備をする、すると
「わ、私も手伝います…!」
と、紗那ちゃんが慌てて言い出すので、どうしようかと翠木さんと顔を合わせてしまった
「んー…気持ちは嬉しいけど…紗那ちゃんは怪我人だし…無理はさせれないよ」
「で、でも…弓なら扱えます…!」
「弓…?」
「凛華君、紗那君には家にいて貰って。家から援護して貰うのどうだろうか?確か、コンパウンドボウがあったはずだ。ただ、引くのに力がいるから難しいかもしれないが…」
そう言って翠木さんは武器の入っている木箱に近付いて中を漁る。戻って来ると手にはコンパウンドボウと弓術用の矢が握られていた
「少し待ってくれ…」
そう言って翠木さんはガレージの方へと消えて行った、立って待つのも何なので紗那ちゃんとソファに座って待つ事に
「ごめんなさい…わがまま言って…」
「あはは、いいよ。でも、そうして急に…?」
「えっと…ずっと逃げていたくないので…少しでも危険がなくなるなら…」
「そっか。ふふ、紗那ちゃんは強いね…」
「そ、そんな事ないですよ!?」
くすくすっと、紗那ちゃんを弄っていると、翠木さんが帰って来た。何をしてたんだろう?
「さ、完成だ。スコープとスタビライザーを付けて来たのさ。狙いも付けやすくなるし遠くまで見えるからね」
そう言って説明をしてくれた。なんでも、射撃の安定性を補助をしてくれるオプションパーツ、スタビライザーと言うものと、文字道理のスコープを付けてくれたようだ
「ありがとうございます…!」
「お安い御用さ。まずは引いてみよう」
翠木さん看守の元、壁に寄り掛かった姿勢のまま紗那ちゃんが弦を引く。引き絞る瞬間は力んでいる様子だったが。綺麗に引き切ると力む震えもなくなり、ぴたっと止まっている
「引き切ると軽くなるんですね…」
「そう、それがコンパウンドボウの良い所だ。保持力が軽いから長く引いて置けるんだ」
私には良くわからないが、クロスボウがもう一本あればよかったな、と思っていたりした。でも、構えを見るとかっこいいよね。弓
そんな感じで、銃はあれども実際に使った事はない。護身用に持っているぐらいで私と紗那ちゃんはクロスボウに弓。翠木さんに関してはナイフでザク!だし…消音器を付ければ音がなくなるのかと思えば実はそうでもないらしい。あくまでも発砲した人物がいる場所を特定されないようにする為の物らしい…高性能な消音器、えっと…銃と消音器が一体になった、インテグラルタイプの銃と亜音速特殊弾があればゾンビに使ってもいいかもしれないね。との事。(私にはまったく理解できないので見かけた銃器ショップや軍用施設にはお邪魔しようとなった)
「よし、それじゃ…掃除を始めようか」
「は、はいっ」
翠木さんの掛け声に紗那ちゃんが頷き、私も頷く。翠木さんと一緒に庭の外に出れば左右に分かれて掃討を始める。三階の窓を開けた紗那ちゃんが後ろから援護してくれるようだ。ちなみに紗那ちゃんの弓の腕は驚く程高くて、私が見つけるよりも先に無力化してくれてたりした。
「これで…6、あれ7?」
以前来た、警察車両や救急車が滅茶苦茶に止めてある場所をうろつくゾンビを動かなくさせた後、何体目だろう…と悩んでしまった。ま、いいかっと切り替えては折角なのでガソリンを回収する事にこの間は紗那ちゃんに見張っていてもらっている。ゾンビが近くにいればトランシーバーで射抜けるのであれば動かない様に、と連絡が来るのだ
『凛華さん、前の車の下に一体います、気を付けて』
「りょーかい」
通信を受けてガソリンを映したポリタンクの蓋を閉め。クロスボウを構えながら距離を取って覗き込む、顔は腐り、皮膚は破け、骨などが見えるおぞましい顔が此方を濁った瞳で見つめていた。カチンッ、躊躇なく引き金を引けばセットされた矢はゾンビの頭を貫き、動かなくさせる。…うん、これも慣れたよね
「よし…周りにはいるかな…んー…」
立ち上がり、周りを見ればどこから来たのか三体のゾンビ。救急車の後ろが開いているし、格好からしてもそこから出て来たのかな
「お帰り、大丈夫だったかい?」
「はい、問題は特に…あ、ガソリン持って来ましたよ」
それから周りで動くモノが居なくなったので翠木宅に帰宅。うん、現状ゾンビは脅威じゃないかな…20とか50とかが一斉に攻め込んで来たら流石にヤバいと思うけど、10体以下なら余裕だと思う。後、不意打ちじゃないしね
「お疲れ様です。凛華さんっ!」
「紗那ちゃんもお疲れ。すっごい助かったよ…」
これに関しては翠木さんも同感らしく、とても楽が出来て助かったと言っていた。ちなみに紗那ちゃんは翠木さんの動きに驚いていて殆ど場所を教えていただけだったらしい、時々矢を撃ったらしいけど
「わかる、わかるよ。紗那ちゃん」
「凛華さんも…?」
「うん」
翠木さんの戦闘センス?は凄い、歳を感じさせない。と言うか私達には頭蓋骨を突き割るほどの腕力がないよ…何でバターを刺すが如くナイフが刺さるんだろうね、不思議です
「凛華君、シャワーに入って来た方が良いよ。話はそれからでも遅くはないだろう」
紗那ちゃんと二人で話し込んでいると、苦笑いした翠木さんにそう言われ。慌てて浴室に、なんで慌ててるか?ガソリンをですね…服に垂らしてしまって…凄くガソリン臭いんです
「さて、周りの危険はどうにかできたかな…?」
「はい、大分減ったので外で作業していても大丈夫だと思います。でも、油断はだめですね…」
「どこから出て来るか分かりませんもんね…」
と言う訳で、防衛に使う。有刺鉄線や車のバッテリー(その辺から拝借)、ベアトラップなどを注意しながら箱から取り出す。今回は紗那ちゃんと私の案でこれを使ってみようと思う。ちなみに翠木さんは試作と言う事で火炎瓶(中身はガソリン)に防犯ブザーをゴムテープで括り付けた物を作っていた。作業を始める前に休憩と昼食になったとさ
楽しんでいただけたら幸いですっ!