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深夜のホームセンターで戦闘?霧島さんはガチでした。 〇月18日 (深夜)

目指せ!1万5000文字!…お暇な時にお読みくださいっ

菜園を開く為にビニールハウスを建てる事になりました。何で?それはですね『ゾンビ』が現れてから気温が真冬の様な寒さなんですよ、朝起きると氷点下、日中は3~6℃…夜?氷点下なんですよ、奥さん。勿論、私達の服装は厚着ですし、拠点内は暖かいですよ?でも、菜園を室内に作れる程のスペースは流石の翠木宅でも無理でした…と言う訳で、ビニールハウスの材料を昼間に行ったホームセンターから持って来る事になったのです、ついでに暖房器具と発電機も!…ですが、ホームセンターのあるE区のお隣さん、D区に作られたキャンプが問題があって…なんでも軍人が独裁政治の様な事をしているらしい。それだけなら私達には無害なんだけどその独裁の結果、と言うのかな…?物資取って来ない人は入れて貰えない、持って来ても量が少ないと直ぐに次を要求され外に出される。そうなると無理矢理にでも良い物(趣向品)を持ち帰ろうとする、人を殺してでもね?…そして、キャンプ周辺の女性を攫ってる。私達にとっては一番の問題だと思っている


「双海、考え込んでるけど…大丈夫?」


「あ、すいません。つい…」


考え事をしていると霧島さんが心配そうに私の顔を覗き込んでいて、顔を上げると自然と見つめ合う形に…か、顔が近いですよ…!?


「考え込む事は悪い事じゃないよ、ただ…外で考えちゃだめだよ?」


「は、はい…」


『ほーら、沈みこまないのっ。心配してるだけだよ?』と言いながら、ぽんぽんっと私の頭を撫でてくれた、んー…癖になりそう。紗那ちゃんに同じ事してたけど、こんな気分だったんだね


「準備終わりましたっ、…どうかしたんです?」


割と近距離で見つめ合っていた私達を見つけると首を傾げる紗那ちゃん、あれ?気まずくない…?すると、霧島さんは気にする事なく先程の状況を説明、結果。私が気落ちしている事になり、翠木さんが準備を終えて今に来るまでの間、ソファの左右に紗那ちゃんと霧島さんが座りひたすら二人に頭を撫でられたとさ、き、気持ち良いけど恥ずかしいです…はい


「さ、凛華君も元気になったようだし。そろそろ行こうか」


「げ、元気と言うか…まぁ、気分は落ち着きました」


「ふふ、良かったです…」


「無理はするんじゃないよ?ここはあたしに任せておきな。誰も侵入させないからさ」


準備を終えて、ガレージに集まるとショットガンを持った霧島さんが見送りに来てくれた。ふんすっと胸を張りながら意気込む霧島さんに見送られながら私達三人は再びホームセンターに向かった。短い時間で迅速に、拠点に戻るのは夜の内に



「時刻は22時丁度だ、24時には引き上げよう。何か問題があった時、また必要な物が見つかった時はその時点で引き上げよう」


「「はいっ!」」


ホームセンターに向かって居る車内で翠木さんが作戦内容を伝える、其処に私が『注意点や様々な場面の時の対処を書いておいたよ』っと言って貰った霧島さんのメモを読み上げる


・ホームセンターに入るのは双海凛華と翠木涼太。基本的に離れない事

・井上紗那はは車から離れ、ホームセンターの正面入り口の対面にあるマンションの屋上から見張る。何か異常があった場合トランシーバーによる連絡と私達の援護、更に上って来た入り口には防衛用のピアノ線を三本引いて置く事

・もしも、双海凛華、翠木涼太以外の生存者と遭遇した場合。接触せずにその場から離れる事。発見された場合は可能な限り撤退を選択。銃撃された場合は身を隠し、可能であれば撤退する事

・応戦する際は先にペイント弾(蛍光塗料)が装填された銃による射撃後、実弾が装填されている銃による応戦を許可する(井上紗那の援護射撃が可能である場所まで撤退する事も視野入れる事)


…軍事作戦か!?霧島さんガチガチですよ?!そう言えば、私達三人にちょっと変わった銃を配ってたから…それがペイント弾入り?


「流石…黒芽君は良く考えているね」


「…道具を用意したの翠木さんですよね…?」


「僕は頼まれただけさ」


にこりと良い笑顔でサムズアップする翠木さん、いつの間にそんな物を…あ、ミリタリーショップに置いてあったのかな…?


「でも、対人用の対処は良いですけど…対ゾンビはどうしましょう…?」


「それは、いつも通りじゃないかな?ほら、凛華君のクロスボウや僕がサクっとやればいいだけだし」


それもそうかと、納得しながら車は目的地に向かって走り続ける。以外にもこの道は荒れていないのでスムーズだ




「それじゃ、紗那君はあそこに、僕と凛華君は中に入るよ」


「気を付けてくださいね?」


「それは、紗那ちゃんもだよ。何かあったすぐに知らせてね?」


『はいっ!』元気に返事をしながら紗那ちゃんはライフルと弓を持って車から離れて行った。何も無ければいいけど…


「さ、僕達も行こうか」


「了解ですっ」


翠木さんと頷き合いながらホームセンターに二度目の訪問。正面から入ると棚が所狭しと並んでいるが、倒れて居たり物が散乱していたりと音直ぐに立ててしまうそうで大変だ…ゾンビはそこまで音に敏感じゃないけど、流石に銃声には反応して見せたから…人間に勘付かれるのが一番危険かな…?


「農具系の物は奥の方なんだよ。確か…壁際に並んでいたかな」


「そうなんですね…音に気を付けて行きましょう」


二人で姿勢を低くさせながら店の物色を始める。食べ物や飲み物が散乱しているが、今回は拾わない。余裕が無いと言うのもあるけど、暗いからか迅速の回収できる自信がないからだ。翠木さんを先頭にそろそろと移動していると『援護出来そうな場所に着きました』と紗那ちゃんから連絡が届いた。今の所以上も無く、周りにいるゾンビ達にも変化はないそうだ


「よし、注意して進もうか」


「はい、この先の角を曲がれば…農具コーナーです」


事前に覚えて来たお店の地図通りならあっているはずだ、問題はその通路にゾンビが居た場合は排除しなければならない


「し…ゾンビだね」


「はい、クロスボウを使います」


農具コーナーの通路を棚の影から顔を出し、覗いた翠木さんがゾンビを見つけたようだ。そっと、リュックサックに付けられているクロスボウを展開しては微かに見えるゾンビに狙いを付け、引き金を引くと矢は空を切りながら真っすぐにゾンビの頭を砕く。よかった…当たった


「良い腕だ、先に進むよ」


「はい、気を付けて」


私はその場で二本目の矢を装填し、翠木さんが必要な物を探し始める。勿論、私が周りを警戒している


「ライト、点けるよ?」


「了解です」


翠木さんが物を探すのに一瞬だけ、淡い光のライトを点ける。光量が低くなるように調整したライトは翠木さんの手元のみを照らす。何回か点けながら物を集め終わった翠木さんが私の隠れる棚の壁まで来ると同時に、紗那ちゃんから連絡が来た


『れ、連絡します。私達の車を止めた正面の入り口から三人、店内に入って行きました。恐らくD区の生存者だと思います』


「げ、最悪じゃん…」


「出会わない様に外に行こうか。しかし困ったな…車のエンジンを掛けた瞬間にバレてしまう可能性がある」


「そうですね…取り敢えず、荷物を置きに行きましょう」


コクリと頷いて入って来た道とは違う道を使って入り口に向かって戻る事に細心の注意を払いながら音を立てずに移動していると確かに誰かがいるようだ。私達以外の足音に向こうはライトを使っているらしく位置が簡単に把握する事が出来た、軍人じゃない…?


「よし…これなら問題無さそうだ。さ、急ごう」


翠木さんの言葉に頷いて、急いで外に向かう事に入り口が見えた時紗那ちゃんから再び連絡が届く


『気を付けて!今、もう一人の生存者が入り口に向かって行ってます!』


慌てて棚の影に身を隠すと確かに店内に入って来る音が聞こえる。足元に散らばっている物を腹立たし気に払う様に蹴っ飛ばしているようだ


「おい!早く集まれ!キャンプに入りたくないのか!」


どうやら叫んでいるのは軍人の様だ、まずい…これだと外に出れても車を動かす事が出来ない…


「あぁ、先に行っておくが何も持っていない奴は入れないからな」


どうしよう…彼らが居なくなるのを待つしかないだろうか?翠木さんを見ると私の考えを察したのかコクリと頷いて


「持って来たぞ…!これでいいだろう?早く娘を返してくれ!」


中年の男性は両手にたばこ…?を抱えて叫ぶ男の前に来ると突き出す様に両手を出しては叫んだ


「ちっ、いちいちうるせなぁ…誰のおかげで安全に暮らせているのか…わかってねぇのか?」


そう言って男は中年の男性からたばこを奪い取ると顔面を殴った。殴られた男性は体勢を崩して床に伏せてしまった


「おい、他の奴はどうした?」


「ぐ…しらん。他の奴の事など構っていられるか!」


イライラとした様子で男は倒れる中年男性に近寄り、持っていた銃を突きつけた


「おっさん、さっきから反抗的だな…殺すぞ?」


「っ…!」


顔を上げた中年の男性の眉間にハンドガンの銃口をぐりっと押し付けながら音が静かに言う。普通なら聞こえないだろう、だけどここは音が響き易い上に普段よりも神経を集中させている影響かもしれない


「耐えるんだ、凛華君。僕達は安全に返る事が目的だ。彼を助ける事でも奴を殺す事でもない」


思はず身体動きそうになる私の肩をそっと抑えてくれる翠木さん。そうだ、私達の目的は人助けじゃない…でも…


「…彼を助けると言う事は銃を持つ奴を無力化する事になる。それに、助けた彼が此方に必ず善意を示してくれるとは限らない、それでも彼を助けたいかい?」


敢えて、無力化と言う言葉を使ってくれる翠木さん。この場合の無力化とは捕縛ではない、相手は既に銃を抜いており簡単に人を殺すような人間だ。つまり、この場合が 無力化=殺害 と言う事になる


「…助けましょう。彼を拠点には招きません、ですが…このまま見てもいられません」


「そうか、なら…僕も手伝おう」


そう言って翠木さんはペイント弾の装填されたハンドガンと実弾が装填されたM9を引き抜いた


「意地悪な質問をしてすまない、凛華君。だが、最後にもう一つだけ忠告だ…恐らく彼を助ければD区のキャンプと敵対する事になる。それでも構わないかい?」


「…っ…もしもそうなった時は、私が彼らの報復を受けます」


翠木さんの言葉を聞いて其処まで考えていなかった私が恥ずかしくなった。そうだ、ここで奴を殺せば反撃が来るだろうし、避難民を使って調べさせるだろう。ぽんっと頭に手を置かれて驚いて見上げると翠木さんが笑いながらこちらを見ていた


「自己犠牲精神は君の様な若い子が持つには早いよ。やるなら…徹底的に交戦しようじゃないか」


「翠木…さん…」


「さぁ、戸惑う暇は無い。彼を助けよう」


そう言って翠木さんは距離を縮める為に場所を変えて行く、私は慌てて紗那ちゃんに用件を伝えると紗那ちゃんから『死なないでくださいね?』とだけ、言われた。ありがとう


「さっきの威勢はどうした?娘を返せ?あれは俺達のおもちゃになれたんだ、良かったおっさん」


「き、貴様…!」


「はーい、黙れー。銃も扱えない奴がうるさいんだよ」


そう言って銃口を眉間から外し。脚に向けようとした瞬間、男の顔面にペイント弾が着弾する


「いってぇ!?何しやがった!?」


驚きと痛みで銃を取り落とす男に割れた窓から飛来した矢が太腿を射抜く、悲鳴を上げながら転げ回る男に中年の男性は呆気に取られた様子で眺めている、私と翠木さんがダッシュで二人に近付き。私は中年男性を引きずる様に棚の影へ、翠木さんは男の持っていた銃を外へと蹴っ飛ばす


「お前ら誰だ!?」


「静かにした方が良い、叫べば直ぐに奴らが来る。生きた人間の血の匂いに釣られて…な?」


叫ぶ男に静かに翠木さんが告げる、構えているのペイント弾の銃だけど…今の状況からして男性は直ぐに静かになった


「大丈夫ですか…?」


「あ、あぁ…力が凄いんだな。君は…」


ようやっと元に戻ったおじさん。私に対しての第一声がそれだった


「あはは…怪我も無いですね?」


「大丈夫だ…ありがとう…助かったよ」


そう言って立ち上がるおじさんは顔を腫らしながら笑った


「いえ、早くここから逃げて下さい。何か言い訳をすればキャンプに入れて貰えるでしょう」


「あぁ、そうさせて貰うよ…」


そう言うと、おじさんは慌てた様子で逃げて行った、さて…残っているのは


「随分と強気な様子だったけど、今はどんな気持ちだい?」


迷彩服の男の両手を縛った翠木さんが問い掛けると男は翠木さんを睨み付けていた


「お前ら…俺達のキャンプの人間じゃないな…」


「当たり前だ、君達のキャンプなんかに入る訳ないだろう?」


「なら、早く俺を解放した方が良いぞ。今ならキャンプに手厚く歓迎させてやる」


そう言って男は翠木さんを睨むと、翠木さんはあきれた様子で眺めていた。うん、この人馬鹿だ


「残念だがそれは出来ないし、これから君の事をどうするのかを考えるの僕達じゃない。ほら、帰って来たみたいだよ」


そう言って彼の視線から翠木さんが退くと、通路の奥から先程物資を集めに来ていた二人組が現れた。私達の様子を見ればかなり驚いた顔している。すると『おい!お前ら!早くこいつらを殺せ!』と迷彩服の男が叫ぶが誰一人として動こうとしない


「…静かにしてください。ゾンビが来ますよ?あ、彼は置いて行くのでお好きにどうぞ」


「ゾンビにあげればいい口実になるんじゃないかな?キャンプに入る」


そう言い残して私達はさっさと立ち去る。後ろの方で男の悲鳴が聞こえるがどうでもいい、早く帰りたいよ…車の止めた場所まで来ると紗那ちゃんが待っていた。ごめんね、待たせちゃって


「け、怪我とか…大丈夫ですか?」


「大丈夫だよっ。ちょこっと罪悪感を感じてるだけ」


紗那ちゃんに心配されながら苦笑い、車に乗り込むと翠木さんに称賛された。私何かやったかな…?ともあれ、必要な物は取れたし…D区のヤバさは良く分かりました。紗那ちゃんの援護もすごく良かったです。さて、今度からは対人の罠を考えないとだね…

これからもよろしくお願いしますっ!ではでは

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