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難易度ナイトメア! クズ勇者に嵌められた俺はついに本気を出すときがきた 悪役令嬢と塔を攻略しよう!  作者: 野良うさぎ(うさこ)


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突然

 

 人と関わりを持つと最終的にはそれが壊れる。

 孤独でいようとしても繋がりを持とうとする自分がいる。


 自分が悪くなくても悪いと思ってしまう。

 俺は弱い。


 身体を鍛えても勉強を頑張っても周りの空気はかえられない。

 染み付いた性格は変えられない。


 気弱な性格を直そうといろいろ頑張ってみた。


 出る杭は打たれる。

 俺は自分の本気を出せる環境にいなかった。


 

 ……頭が軽くなった? 倦怠感が薄れたのか?




 モンスターパニック。

 クラスメイトたちは青い顔をしている。

 これは死ぬか、さっさと逃げろということだ。


 よく分からないゲームを行うスタートラインにも立っていない……


 クラスメイトたちはガタガタ立ち上がって仲間で集まっている。騒ぎが大きくなる。


 泣き叫ぶ子や戦いたくない、と喚く大勢のクラスメイト。

 淡々と準備をする者。

 嬉しそうに騒ぐ者。

 様々な反応を見せてくれる。

 

 俺だけがボッチだ……


 突然異世界に行ったら意味も分からず戦闘に入る。きつい。これは本当にきつい。


 俺たちは平和な日本にいた。戦いなんて知らない。


 オレも戦う手段をチェックしよう

 結局、職業はもらえなかった。人間やめるってどういうことだ?

 やはり逃げたほうがいいのか?


 何かないか机を調べたら小汚ないバックが吊るされてあった。

 中身は黒い皮手袋が入っている。武器ではないな。


 他の生徒を見ると違うようだ。

 職業によって荷物が違うらしい。

 神楽坂は刀を持っている。

 イケメンは小綺麗な西洋剣。

 豊洲は杖。


 近くにいた豊洲は自分のパーティーメンバーと合流して退避しようとしていた。


 臨戦態勢に入った神楽坂パーティーは殺気だっている。


 神楽坂パーティーはクラスの運動ができる布陣で固めている。

 ここではないところで迎え撃つらしく、早々と教室を出て行った。




 タブレットがモンスターパニック告げてから時間が少し経った。


 廊下もざわめいている。

 他のクラスのパーティーもグランドを目指して進んでいるようだ。


 俺も手袋を装備してグランドに向かおうとした。


 ……タブレットは告げていた。これはモンスターパニックと。


 俺も含め混乱したり、事前に確認を十分できていなかったパーティーは迅速に動けていなかった。

 これは災害と同じレベルであった。迅速に動かなければいけなかった。





 誰かがグランドを指さして言った。


「ねえ、あれ……」


 教室を出る前にグランドを窓から見る。

 そこは阿鼻叫喚の地獄絵図だった。


 小鬼のようなモンスターがこん棒振り回し、生徒が脳漿まきちらしながら倒れる。


 腹を切り裂かれ、臓袋がはみでてしまい倒れる生徒。狼みたいなモンスターに生きたままくわれる。


 人間の2倍ある豚みたいなやつに捕まえられて引き裂かれる。

 虫に吸い付くされる女子生徒。

 炎に焼かれてもがき苦しむ男子生徒。


「嘘だろ……」


「怖いよ!怖いよ!」


「もうだめだ……世界の終わりだ」


 クラスメイトたちは完全にパニック状態になった。



 我先に教室から出ようとするクラスメイト達。


 俺は呼吸を整え考える。

 現実感がない。でも現実に起きている。死んでも生き返ると運営は言っていたが、死の恐怖はある。


 死ぬのもつらいが生きていくのもつらいものだ。

 だからこれを乗り越えればなにかわかるかもしれない。変えよう生き方を。


 俺は気持ちを切り替えた。

 やれるだけのことはやってみよう。

 心を燃やせ。師匠の言葉を思い出す。

 武器はある。この身体がある。

 ここから本気を見せるんだ。

 誰に? 自分にだ。自分を肯定しろ。



 教室には数パーティーしか残っていない。

 豊洲、神楽坂、七海パーテーは早々に教室を出て行っている。


 イケメンパーティーの男の子が扉を出ようとした。


 瞬間、喉から血を吹いて崩れ落ちた。

 彼は血でゴホゴホ言いながら動かなくなった。


 男の子を踏みつけて来たのはモンスターというよりも人間である。


 使い込まれて黒く薄汚れている鎧とまだ新しい血が付いた短い剣を装備した男。鍛えこまれた体は恐ろしく太い。腕も首も胸もすべて鍛え上げられている。


 教室は突然の襲撃にショックで声も上げられなかった。


 教室の中に入っていく戦士のような男。

 後ろにはあと二人、杖を持っていて小汚いローブを着ている男、弓を構えている男がいる。


 戦士の男はにやりと笑って冷酷に告げた。


「……ひひ、てめえらは俺たちに殺されるんだよ!」


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