表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
難易度ナイトメア! クズ勇者に嵌められた俺はついに本気を出すときがきた 悪役令嬢と塔を攻略しよう!  作者: 野良うさぎ(うさこ)


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

21/29

攻城戦 メイドとハルキとジジイ

 

 俺とアリスは無事に塔へ侵入した。


 ここはまだ2層の砦ゾーンだ。

 砦に入った瞬間、溢れんばかりのモンスターが襲いかかってきた。


「雑魚は引っ込んでろ!」


 アイテムボックスの中には回復薬、魔力回復薬がたんまりある。

 始めから全力で行くぞ!


 走りながら俺は剣を生成する。

 その数は3本。

 300匹はくだらない数量のモンスター達の正面、左右に投げつける。


 剣がモンスターに命中した瞬間、大量の小さなナイフが生まれて、ショットガンのようにモンスターの命を刈り取った。


 アリスは忍者の如く壁を蹴り、空を舞い、地を駆ける。その身体はぶれて残像を起こしている。

 アリスが通りすぎる場所はモンスターの首が大量に落ちている。

 

 ――さすが首刈りうさぎだ。





 あっさりと3層までの空間転移場所までついた。


 街がヤバイな……

 俺は最速でボスを倒すのに集中する事にした。


 3層へ転移すると趣向が変わった。

 

 溢れんばかりのモンスターは全てSCMの群れであった。

 ブルードラゴンを筆頭に上位種のモンスターのみで構成されている。


 俺とアリスの頭のギアが徐々に上がってきた。


「……これ久しぶりにレベルアップ出来るんじゃね?」


「きゅ!!」


 アリスは嬉しそうにモンスター向かってダンスを始めた。


 モンスターは俺達を認識して襲いかかってきた。





 5層ボスモンスターの騎士団達が合体し始めて一体の騎士に変化した。

 明らかに騎士団員よりも強者の匂い、狩られまくった恨みが昇華して騎士団長に進化したのか?


 巨大な獅子が飛びかかって来る。


 地面の中に潜んだ大蛇が巻き付いて来る。


「邪魔だ」


 刀を抜き、居合切りをぶちかます。

 刀撃が敵モンスターを一閃する。


 目の前のSCM達が横に線が入り崩れ落ちた。

 こいつらレベルは瞬殺だ。


 騎士団長は悲しそうな顔で光に消えていった……


 SCMか……メイドの課題を思い出すぜ。切り札無しでSCM狩りか……

 ていうか広場でメイドいたか?

 もしかしてあいつがボスとか無いよな?


 大量のブルードラゴンが空から舞い降りてきた。


 俺とアリスは満面の笑みを浮かべた。


「っしゃあ! 前にやられた恨みの100倍返しだぜ!!」


 俺は刀と小太刀の二刀流スタイルで。

 アリスは爪だけで。


 ブルードラゴンの四肢が切られる。ブルードラゴンの首が切られる。ブルードラゴンの胴体が真っ二つにされる。ブルードラゴンが切り裂かれる、ブルードラゴンが心臓を貫かれる。

 俺達はブルードラゴンにやられた事を決して忘れない。


 作業の様にブルードラゴンを狩りながら次の転移空間を目指して駆け進む。


 俺は考え事をしていた……



 ――俺は攻城戦前に瞑想した。


 

 転移空間前に特大のボスブルードラゴンがいる。



 ――少し自分がわかった気がする……



 一瞬で間合いを詰めボスブルードラゴンの懐に入る。

 


 ――迷いがなくなった。



 ボスブルードラゴンの強烈な爪が来る。



 ――何が一番大切かわかった。



 小太刀で爪を突く、発勁の要領でチカラを伝える。

 ブルードラゴンの爪が剥がれ、泣き叫ぶ。



 ――アリスを思う感情。これは特別だ。……なぜだかわからない。でもわかる。



 刀を下から切り上げる。

 ブルードラゴンの身体は真っ二つにずれ落ちた。






 俺達は限界の速度で塔を攻略していった。

 俺はアリスを頭にのせて戦いながらずっと俺の気持ちを語っていた。



「多分だが、性格も進化も全て俺が最初から持っていたものだと思う」



「タブレットが壊れて憑き物が落ちた……あれは俺を縛っていたものだ。現実世界の誰かが俺の力を封印なり呪いなりかけた。かけた奴はこの世界に関わっているはずだ」



「なぜかわからないが、アリスとは初めて会った気がしない。特別な存在に感じる。……正直メイドもそう感じた。だから、アリスは絶対守りたい。……敵になったであろうメイドもどうにかしたい」



 アリスは頭にいたから表情はわからないが、俺の頭を軽くポカポカ叩いていた。


 そんなこんなで10層にはいつの間にか着いた。

 10層は王都の城になっている。

 

 ――おかしい? モンスターに遭遇しない。


 戦闘無しでボス部屋の前に着いた。





『脳筋達が心配ですわ。さっさとボスモンスターを倒して帰りましょう』


 アリスがボス部屋の扉を蹴り開けた。

 扉が開く。

 王城の謁見の間になっている。広々とした室内には一人何者かが佇んでいた。


 王座前のレッドカーペットにヤンキー座りで待機している。


 そこにはメイドがいた。






 メイドは巨乳を揺らして立ち上がる。

 いつもどおり無愛想なのに可愛らしい顔だ。


「やっと来たか。お前たちが来るのが順当だな」


「メイド、あんたがボスモンスターだったのか……」


 メイドは少しだけ笑っている。


「あぁ? お前たち勘違いしている。大将は10層を動いちゃいけないなんて制約は無い」


 ――あああああああああああああっ!!!!


 だから勢いとノリは駄目なんだよ!


「大将どこだよ! 攻城戦の意味無いじゃん!!」


 メイドは苦い顔をして言った。


「……街に一緒に攻め込んでいる。 待つのは嫌いじゃ、って言ってな」


 俺達は踵を返そうとするが10層の扉が閉まった……


「これも仕事だ……残念ながらお前たちの冒険もここでおわりだ」


 メイドは静かに構えた。


 俺とアリスの背筋に寒気が走った。


 ついに恐れていたメイドとのバトルが始まる……









 ************








 爆弾の効果は絶大であった。

 ミサイルはNPCの真ん中で凄まじい爆発を起こした。

 空気が一瞬止まる。まばゆい光に覆われて視界がなくなる。

 遅れて轟音が響く。 

 爆弾に内蔵されていた魔剣が反応して辺り一面に雷撃を起こす。


 一定レベル以下のNPCと通常モンスターが討伐された。

 他のNPC達も深いダメージを負ったが全滅では無い。


 わたしはタブレットで広場の状況をチェックしていた。


「うそ……あの攻撃でまだ全滅しないの!? ……とりあえず時間稼ぎは成功しているか」


 私は城内にいた生徒に指示を出した!


「早く城門を魔術コーティングして! 入口はここしか無い! 入って来たら乱戦になる!」


 わたしのタブレットに映し出されたのは城門にたどり着いたNPC達だ。


 チャラ男はいる。

 メイドはいない。

 老執事がいる。

 その数は12人ほどになっている。


 守りきれるかも知れない。恵比寿のNPCが殺されなければ大丈夫。

 時間は十分作った。

 後はハルキが倒してくれる。

 私の心に余裕が出来た。


 NPC達が門から少し離れる。

 あの紳士的な老執事が扉の前に出た。


「ふぉふぉふぉっ! もう仮面をかぶるのはやめるのじゃ!!」


 息を大きく吸って長く吐く。


 NPCが遠くから応援している。


「「けんせいさ〜ん頑張ってください!」」


 あの老執事は何をやっている? 


 ほっそりとした執事の身体が一回り大きくなり、服を破いた。


「な、なんてパンプアップだ……」


 私は筋肉については一家言ある。

 その私が言う。

 あれは至高の筋肉だ。


「いくのじゃ! ジジイのチカラを見せてやるわい!!」


 ジジイは構えていない、自然体で立っている。武の極意だ。

 わかる私にはわかる。




 ジジイの身体がブレた瞬間、扉が砂の様に崩れ去った…。


 生徒達は騒然となった。


「え、何が起こったの!?」


「僕らの最大魔術をつぎ込んだのに!」


「くっ、きっと藤崎がボスを倒してくれる……」


「絶対守りきるぞ!」


「恵比寿! お前は下がっていろ!」




 

 NPC達がゆっくりとこっちへ歩きだした。


 ジジイ徐ろに顔に手をやった。


「これ暑いんじゃ、もう外すぞ」


 老執事が顔に手をやり皮膚を剥がす。

 別の顔がでてきた。


 私はその顔を見た瞬間、絶望に陥った。




「…………師匠?」



 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ