ぐちゃぐちゃクッキング
2話目です。
話数によって長さがことなることが多々ありますがよろしくお願いします。
あと、名前を少し変更しました。ご了承ください。
「なんか、冒険に出たけど散歩と対して変わらないな。」
「何もないならその方がいいじゃん?」
「違うんだぁ!拙者はもっとこう、魔物と戦いながら進んでいくのに憧れてるんだぁ!!!」
「そうは言っても、僕たちまだスキル1つも覚えてないから怖くないか?」
「ふっ。実は俺、スキル覚えてるんだ!」
「…どうして?」
「冒険の証を貰いに行った日の帰りに親父が弱っちい魔物と戦わせてくれてさ!」
「じゃあ、ドグさんを頼りに魔物でも狩ります?」
「うぉおお!魔物が狩れるのか!?」
「えっと、大丈夫なの?」
「私も…狩ってみたい。」
「じゃあ、やってみよか!この辺だと、グレムリンがいるらしい。」
「せぇえい!!!」
「キョァアア」
悲鳴じみた魔物の声が響いた。
「思ってたより地味だな、戦闘も。」
「アザー、文句ばっかりだな。セイカやルーペみたいに黙々と狩り続けないと、置いてかれるよ?」
「ぐぬぬ…。それは拙者としては許し難い!見てろよ…。」
「焔の槍!!!」
ブワッーーーー
「…ドグ、すごい。」
「なぬっ!?」」
「そんなの覚えてたんだね。ドグ」
「ねぇねぇ?私もこんなの覚えたよー?」
「ん?ルーペもスキルを覚えたの?」
「見ててね?」
「風の鎧」
「…特に、変わらない。」
「まあまあ、ここからここから!えいっ!」
ドーンーーーー
「す、すごい威力!」
「なん…だと!?まずい、このままでは置いていかれる。」
それから夜まで戦闘は続いた。
「ハァハァ…そろそろ限界だよ。」
「…疲れた。」
「拙者も、流石にキツいな。」
「じゃあ、そろそろ夕食にするか?」
「ですね。」
「じゃあ、料理できるやついる?」
「「「「・・・。」」」」
「嘘だろ!?誰も居ねぇの!?え?初日で早くも餓死パターン!?」
「みんなで作ってみて、まともそうなのを食べよ?」
「…そうしよ。」
「ぬっふっふ。腕によりをかけて作りますよ?」
「ルーペ、頼むからまともなものにしてくれよ?」
それから小一時間が過ぎた。
「よし、みんな準備できたか?」
「なんとかね。」
「じゃあ、俺から出すわ。」
デーン
「…ドグ?これは?」
「これはグレムリンの丸焼きやで!」
「ドグ、てめぇ!手抜きじゃねぇか!」
「うるせぇ!俺に料理なんかさせるからやろ!」
「開き直ってんじゃねぇよ!」
「まあ、とりあえずは保留で…次にいこう。」
「そうだ!次だ次!!」
「…私が、出す。」
「セイカか!これは期待できそうだな」
デーン
「キャッキャッキャッ、セイカさん?それは?」
「…グレムリンのフルコース。」
「ドグとあんまかわんねぇじゃねぇか!!!」
「…頑張って作ったのに。」
「完食してあげなよ?」
クロがいつも以上に不敵な笑みを浮かべながら言ってきた。
「ええい!次行こ!」
「じゃあ、次は僕が出すよ!」
「頼むで、クロ…」
デーン
「茜の実のサラダだよー!」
「…これだけ?」
「いや、腹ふくれねぇよ」
「少なすぎやろ!」
「なんか、置きに行って失敗しちゃってますよねぇ」
一同の総ツッコミを受けたクロは目を潤わせていた。
「いや、まともでしょ!?他のに比べたら!?」
「まともやけど、なんか違うんよなぁ」
「よし、次いきましょ!って、私か!」
「…ルーペの料理、怖い。」
「まあ、そう言わずに!どーぞ!」
ドーン
「鮭の塩焼きとじゃがいも、魚貝を使ったスープです!」
「「「「!!!???」」」」
「ルーペが、まともなものを!?」
「ぬっへっへ。私の家、漁師だからさ?魚料理は自信あるのですよ」
「おお!これは美味そうだ!じゃあ、早速いただこう!!」
「・・・アザー?君のがまだだよ?」
「く、クロ!?もういいじゃないか?ほら、美味そうだぞ?食おうぜ?」
「…1人だけ、卑怯。」
「わ、わかったから!では、拙者の料理を見よ!」
デーン
「グレムリンの足の唐揚げ、グレムリンの腕の…」
「さっ!食べましょうか」
「そうだね、せっかくだし冷める前にね!」
「あぁ、腹減ったわー」
「・・・」
「…ドンマイ?」
「うるせー!セイカ!!!」
こうして、ルーペの新たな才能を発見し無事(?)夕食を済ませた。