冒険の始まり
初投稿です。趣味の範囲で書いていますので、読みづらいかも知れませんが、温かく見守ってください。よろしくお願いします!
この世界では16歳になると、各国の長から冒険者の証が与えられる。この証は全ての者に与えられるが使って旅をするも良し、使わず働くも良しであり、行使するかは自由である。また、冒険の証を持っていると「スキル」が使えるようになり、その「スキル」は人によってバラバラである。
基本的には一度は外の世界を見てみたいと思い、冒険に出るものが大多数である。外の世界には様々な王国や古代都市、天空都市といった心躍る場所が多く存在する。また魔物やそれを収める魔王軍が君臨しており、一部の地域では魔物や魔王軍に支配されている場所も存在する。そしてここにも外の世界を夢見た5人の少年少女がいた。
「大きくなったら、拙者たち5人で冒険に出よう!誰も見たことのない景色を拙者たちが見つけるんだ!」
「また大それたことを…。」
「俺たちならできる!絶対だ!」
「…うん。」
「いっちょ、やってやりますか!!!!」
「じゃあ、7年後の16歳になる年にこの場所で待ち合わせよう!」
それぞれの思いを胸に今、新たな冒険が始まる。
ー7年後ー
朝ー。
「よし、装備はこんなもんかな?冒険の証も持ったし、忘れ物はないな!」
薄紫色の髪色の少年は真新しい衣服を着用し腰に短剣を据え、気持ちを昂らせていた。
「立派になっちゃって…頑張りなさいよ、アザー。」
「母さん、ありがとう。じゃあ、行ってくるわ!」
「行ってらっしゃい!気をつけてね。」
「わかってるって!」
バタン。
「ふぅ…お願いだから、無事に帰ってきてね。」
「流石にちょっと早すぎたかな?誰も来てない気がする」
そんな予想とは裏腹に1人の青年が立っていた。
青年はこちらに気づいたようだ。
「ん?おお、アザーじゃないか。僕以外誰も来ないのかと思って辛かったんだよ。」
「クロ、相変わらず早いな。」
待っていたのはクロである。一言で言えばチャラ男だが、性格は至って真面目で明るい。金髪に白いフワフワの耳飾りをつけ、高そうな一張羅を身にまとっている。腰にはアザー同様短剣を携えている。
「アザー、準備万端だね!」
「もちろん、拙者はこの日を待ち望んでいたからな!てか、他の3人のことは何か聞いてる?」
「いや、特には何も聞いてないよ?」
「そうか…まさか忘れたりしてないよな。セイカ辺りは寝坊とかも有り得るからな…」
「…私なら、いる。」
「!?」
スタッ。
「セイカ!?なぜ木の上に!?」
「…なんと、なく?」
木の上に居たのはセイカである。銀髪で肩くらいまで伸びた髪を靡かせ、和服を身にまとっている。その容姿は非の打ち所がなく、恥ずかしがり屋で少し不思議ちゃんだが、皆に愛されている女の子だ。
「セイカ、ちゃんと起きられたんだね。」
「そうそう、拙者も思ってたところだったんだよ。」
「…頑張った。」
「そっか、1番遅刻しそうではあったからよかったよ。」
そう言うとアザーとクロは顔を見合わせ安堵した。セイカはその光景を見てキョトンとしていたのだが2人は気にしていない。
「あと来ていないのはあの2人だな。」
そんな話をしていると元気な声が響き渡ってきた。
「こんにちはー!」
「お!きたきた…!?」
「「!?」」
来たのはルーペである。小柄で黒髪のショートヘアが特徴である。セイカとは逆で明るく派手なことがすきな女の子である。が…
「ルーペ?その恰好は?」
「…魚?」
そうなのである。なぜかカジキマグロの被り物を被っていた。
「ああ、これですかい?いやー、うちの親漁師なんで、冒険に出るならこれを被っていけってうるさくて。」
「にしても、えぐすぎるだろ!」
「…。」
「まあ、ルーペらしいっちゃ、らしいけどね」
4人で騒いでいると、最後の1人が来た。
「おいっすー!みんな早いな」
そう言ってやってきたのはドグである。
「いや、みんな早いな。じゃねぇよ!遅せぇだろ!」
「うるさい!時間なんて決めてないだろ!!!」
アザーとドグのいつもの言い争いが始まった。7年たっても変わらないなと3人は笑っていた。
「ハァ、ハァ…冒険に出る前に体力使い果たしてしまうわ。」
「そっちが、折れろや。」
「2人とも早く行こう?日が暮れたらまた明日になっちゃうよ?」
クロがそう促すと2人は了承し、やっと門の前まで来た。
「いよいよ、拙者たちの冒険が始まるんだな。」
「まあ、気楽に行こう。」
「やってやる。全世界を踏破してみせる!」
「…楽しみ。」
「ふっふっふ。行きましょうか。」
「…って!その魚の被り物を外しやがれぇ!!!」
波乱に満ちた冒険が今、始まった。